みなさん こんにちは 4DL Technologies株式会社 SDA部門CCO 荒巻順です。
前回のブログでは” 聴くことの目的 ”を《情報を掘り下げて本質に到達すること》と定義しましたね。
・《本質》とはどういうことか
なぜ本質をつかむことが大切なのか考えてみたいと思います。
《本質》の対義語は《現象》です。
世の中には様々な事象や現況が存在します。
デジタル優勢の時代においては、数多のデータや情報が様々な形で存在し、多角的に入ってくる状況を《現象》と捉えることができます。
事実や情報はとかく多い方が良いと言われがちですが、多ければ多いほど、正誤の判断が難しくなり、また、人間の記憶や処理の限界にも直面します。
まずは、多くの事実や情報から、有用性や必要性に応じた取捨選択を行うことが大切です。
次に、価値の差や優先順位に応じて、それらを並べ替える必要があります。
そして最後に、それらのパーツ同士の関連性から新しい意味を見出すこと。
このようなプロセスを経て、モノゴトの本質に近づいていくことになります。
例えばお客様との商談においてこんなプロセスを会話の中で展開できれば、「おぉ鋭いねぇ」とか「うちのコトよく判っているねぇ」と言われるような状況が生まれることになります。
・” 効率的にビジネスをする ”とは
スピード感の求められるビジネスにおいて《効率よく進める》ことが求められるのは、皆さん常に経験していると思います。
《効率》とは、《アウトプットに対するインプットの量を減らすこと》と定義できます。
この《インプット》とは何でしょうか?
それはビジネスにおいては、《時間》《人手》《材料》などでしょうか。
これらをを無駄に消費すれば《非効率》という状況になるわけです。
では、本質的には何が無駄に投入されているのでしょうか?もう少し少し掘り下げて集約してみましょう。
・物理の法則から効率を考えてみる
少し角度を変えて考えてみましょう。
中学校(たぶん)で習う、物理の授業を思い浮かべてください。
《物体に対して仕事をすることができる能力》《物体に力を加え、その力の向きに動かす能力》のコトをなんと呼びましたか?
ビジネス的な言い方に変えると「セールスパイプラインを動かすために」「組織やチームを動かすためには」「障壁がある状況を動かすためには」こんなところでしょうか?
これらを《動かす能力》をなんていいますか?
《エネルギー》ではないでしょうか? 中学校の時に習ったことを思い出しましたか?
《時間》《人手》《材料》の投入しすぎな状況は、結果としてエネルギーの《無駄遣い=非効率》となっているのではないでしょうか。
・省エネ = 効率の追求
では、エネルギーを節約(省エネ)するにはどうすればいいのか?
これも中学校で習う物理の法則だと思いますが「重いものを動かさない」ということが「エネルギー節約の最重要」なことではないでしょう。※この辺は話すともっとありますが、今後の話題にしましょう
つまり、《軽いものを使って上手に仕事》をすれば、ビジネスに必要な《エネルギーの消費を抑えることができる》ということになります。
では、ビジネスにおいて《軽いもの》とは何でしょうか? それは《データ》そしてその先にある《情報》になります。
そもそも《データや情報》には《質量》がありませんよね?
つまり《情報》を駆使してビジネスを行えば、物理の法則の通り《エネルギーは最小限で済む》ということになります
《エネルギーが少なくて済む》ということは《効率が良い》ということということですね。
結論!
ビジネスの効率を上げるための本質は《情報でモノゴトを動かしエネルギーを節約する》と言うことになります。
・本質を掘り出すプロセスをリスキリング
21世紀になりますます加速していますが、あらゆる《データや情報》が玉石混交な状態で、簡単に誰にでも手に余るほど、ゲップが出るほど大量に入手できる様になりました。
これが何を意味するかも考えてみましょう。
《エネルギーを使わないのが効率的》と定義した本質に到達するためには、どのようなプロセスが必要なのか考えてみましょう。
1. 情報を収集
2.カテゴリー分け
3.選択やアーカイブ
ここまでは、今どきは検索エンジンや生成AIなどのテクノロジーで、誰でも簡単にできる範疇になってきました。
本当に良い時代です。これすらできずに「あふれる情報に溺れている(その気になっている)」としたら、そもそもの所からやり直すしかないかなと思います(笑)
「3.選択やアーカイブ」の次は、整理整頓された 「情報の全体像(メッシュ)」を「視座を上げて(メタ認知)」した上で、
4.様々な切り口での「重み付け」や「解釈の付加」「関連性の仮説」での情報メッシュの立体化(キューブ)
5.情報キューブを様々な角度から観察する
この掘り下げるプロセスを、少ないエネルギーで実施をしたい(楽にやりたい)というのが私たちの根本的な欲求でもあります。※そんな欲求が検索エンジンでもあり、生成AIを作り出す原動力でもあると思います。
・《洞察力》こそ厳しい時代を生き抜くチカラ
とはいえ、
過去には正解と言われたパターンが単純に使えない時代。
変化が予期せぬタイミングや方向から突然現れる時代。
そんな時代に何が求められるのか?
6.情報キューブから何を感じ取るか
7.感じ取ったコトを自分なりに再定義する
この2つまで行き着けるのが《本質を人より素早く見抜くチカラ》ではないでしょうか。そのチカラが《洞察力》となります。
《観察力》から《洞察力》への昇華とでも言うのがいいかもしれません。
・《洞察力》まとめ
《聴くチカラ研究所》では、コンサルティングセールスでのお客様ヒアリングや、生成AIへのプロンプトエンジニアリングの使いこなしにおいて、本質を堀る出す《洞察力》のある人を世の中に増やす。
そのための《そもそも》や《ツボとコツ》を記事にしていきたいなと考えている次第です。
《情報》という《質量のない世界》を上手に動き回り、その中から《手早く本質を見つけ出す》ことで、新しい価値をいち早くつかみ取る。
未来永劫人間の営みとして《洞察力の強化》こそ、《ライバルに先んじるため》に必要な、不変の真理であり《付加価値の高い》と言われるスキルであり、新しい時代に強く求められるリスキリングの1つの形と思います。
それではまた!