聴くチカラ研究所|4DL Technologies株式会社

モバイル出身の法人営業が現状情報システムの状況を聞き出す

作成者: 荒巻順|2024/02/25 15:00:00

情報通信技術(ICT)がビジネスのあらゆる面で不可欠になる中、ソリューションを提案するICT業界の営業担当者は顧客の情報システムの深い理解が、案件創出への鍵となります。本記事では、お客様の情報システムに関する情報を聞き出す際の効果的な手順と、OSI7階層モデルを用いた具体的なアプローチを解説します。

みなさん こんにちは、《聴くチカラ研究所》の荒巻順です。ブログへのご訪問、ありがとうございます。

1.通信回線インフラからクラウドサービスまでをワンストップで提供する価値

ワンストップでICTソリューションを提供する価値は計り知れません。

とくにNTTドコモグループは、NTTコミュニケーションズを傘下に収めたことで電話も含めた固定回線や高度なクラウドサービスを提供できる様になりました。

KDDIやSoftBankと同じラインナップで、あなたという信頼の置ける法人営業担当者にお願いすればワンストップで全ての契約や構築、そしてフォローが可能になったわけです。

お客様にとって、サービスごとに折衝調整や契約締結をバラバラに行わなくてはならない苦労は計り知れない手間と無駄に繋がります。

私たちが提供する価値はなんでしょう?

ライバルよりも安い通信回線を提供することですか?様々な商品サービスラインナップから選択肢を提供することですか?

間違いではありませんが、ワンストップでソリューションが提供できる価値をそこに置くのは間違いだと思います。(もちろん、比較対象がある以上同じなら安い方が良いという顧客心理は理解した上です)

2.事務所・拠点の固定通信環境を把握するという意義は何か

元々モバイルを中心に扱っていた人は、固定回線に対して苦手意識を持ってる方が多いのも事実だと思います。

理由は色々とあると思いますが、意外に事実なのは「モバイル屋さん(敢えてこういう言い方をします)」は、目に見えるモノを売っていたからです。

iPhoneなどの端末という具体的に「目に見えるモノ」

端末の液晶画面から用途が具体的に「目に見えるサービス」

これを売るのが仕事でしたから、固定回線という「何かを繋ぐ仕組み」を手続で終わってしまうのは、イメージできないというか、興味がなかなか湧きにくいのも事実でしょう。

しかし、固定回線も含めて顧客を獲得する意義はなんでしょうか? これは、モバイル回線でも同様なことが言われますが、回線を獲得するというのは《基盤を握る》ということになります。

言い方を変えると《顧客基盤を握る》つまり《顧客の囲い込みが強力にできる》と言うことです。どの業界でも同じ所ですがお客様の「基礎」「基盤」から提供できる様になると商売がとても楽になります。

基礎を作り直すのはとても労力がかかるのは古今東西なんでも同じことです。

だから、NTTドコモグループの法人営業は、ソリューションを下回りからワンストップで提供できることは画期的な環境変化でありチャンスなのです。

3.お客様現状のシステム全体像を聞き出せる法人営業担当者を目指そう

ワンストップでICTソリューションを提供できる営業環境は整いました。しかし、今までモバイルを中心につき合っていたお客様は、どこかの会社から固定回線や、オンプレミスのシステムが導入されているはずです。

今どき、全く新でゼロからシステムを構築しようなって言うのはまれな状況です。(そういう意味では、創業したばかりの法人顧客をどう見つけるかも大事ですが、これはこれで商売的には課題がありますが・・・)

今すぐ案件に繋がるかどうかは次の話として、ワンストップでソリューションを提供し、お客様のDX推進に貢献するためにやろべきコトがあります。

《お客様のシステム全体像を把握する》

これです。ライバルの回線サービスであろうが、お客様が独自で構築したシステムであろうが、お客様がクレジットカードで契約しているクラウドサブスクリプションであるが、全て一覧にできるようにしてみましょう。

現状の正しい現状把握をしなければ、案件創出はありません。時間が勿体ないとかそういう話ではありません。アカウントしているお客様のDX推進があなたの使命なんですから、その基盤となっているシステム環境を理解しないとなりません。

その中ならどう案件の繋がる糸口を見つけるかは次の話です。

4.システム全体像を聞き出すときにはOSI7階層を意識しよう

さて、ここから技術的なお話をします。あなたは「OSI7階層」とか「OSI7Layer」「OSIの階層モデル」とか聞いたことはありますか?

OSI7階層モデルは、情報システムの理解において非常に役立つフレームワークです。このモデルは、以下の7つの階層から成り立っています。

1層、物理層(Physical Layer): ハードウェアの接続、電気信号の送受信など
2層、データリンク層(Data Link Layer): ネットワーク上でのデータの正確な転送を保証
3層、ネットワーク層(Network Layer): 異なるネットワーク間でのデータの転送(ルーティング)
4層、トランスポート層(Transport Layer): データの分割、送信先での再組み立てなど
5層、セッション層(Session Layer): データ交換のセッション管理
6層、プレゼンテーション層(Presentation Layer): データ形式の変換、暗号化など
7層、アプリケーション層(Application Layer): 最終的なアプリケーションへのデータ提供


お客様のシステム状況の会話をするときに、顧客の情報システムをOSI7階層の観点から理解することで、自分の会話がどの部分を話しているのか、把握しようとしているお客様環境情報に抜け漏れがないか。

そんなことを頭の中に思い浮かべられるようになれば、ICT業界の法人営業としては一人前に近づくかもしれません。SEとの会話も違うレベルでできるようになり、SEから貰えるヒントも増えると思います。


5.まとめ(まずは、下回りの通信回線の把握から始めよう)

顧客の情報システムに関する理解を深める第一歩は、通信回線インフラの状況から把握することです。これをリプレースするのは商談として時間がかかる可能性がとても高いです。しかし、そこを押さえることが顧客基盤を押さえるという意味ではとても重要なことです。

時間軸の長さはありますが、常に固定回線の状況を把握しているのがICT業界(とくにドコモグループ)の法人営業としての基本だと思ってください。

しかし、固定回線というのは具体的なビジネスアプリケーションを実現することはありません。なので、固定回線を判る事だけでなんとかなるというのは大間違いです。

苦手である固定回線から目をそらしてはダメですよということを今日は理解して下さい。

固定回線含め、お客様のシステム環境を聴くチカラをチームメンバーにどうやったら身につけさせられるだろう?というお悩みのある法人営業部門の育成担当のマネージャーさん。

ぜひ、いちど4DL Technologies株式会社にご相談ください。御社の法人営業担当者に営業目線でシステムヒアアリングのオレーニングやツール活用の指南をさせていただきます。