通信業界で奮闘するBtoBセールスの皆さん、最近チームの成績に波があったり、かつての勢いが少し落ちてきている…なんて感じていませんか?
お客様への提案、もっと響かせたいけど、どうすれば? そんな悩みに寄り添うヒントを、今日は一緒に探してみましょう。
ビジネスの「なぜかうまくいかない」を乗り越える、新しい視座を手に入れるための第一歩です。
みなさん こんにちは《聴くチカラ研究所》の4DLの荒巻順です。ブログへのご訪問、ありがとうございます。
ビジネスの世界では、どんなに素晴らしいアイデアや活動も、最終的には数字、特に財務会計という共通言語で語られます。
まるで、世界中の人が英語でコミュニケーションをとるようなものです。どれだけ熱意をもってソリューションを提案しても、それがお客様の「どの数字」にどう貢献するのかが伝わらなければ、「良い人だけど、結局何になるの?」で終わってしまうことも。
あなたのチームが以前は順調だったのに、最近成績に波があるという状況、もしかしたらお客様との会話が、ソリューションの機能や便利さの説明に留まってしまい、お客様の経営課題や事業の成果にどう繋がるのか、という「数字の話」まで踏み込めていないからかもしれません。
お客様もビジネスで動いています。彼らが一番気にするのは、その投資が最終的にどれだけ儲けにつながるか、どれだけコストを削減できるか、という数字です。
かつて社内表彰もされた優秀なチームだったからこそ、お客様との関係性やコミュニケーションスキルは素晴らしいはずです。
そこに、ビジネスの「共通言語」である会計という数字の視点を加えることで、お客様の課題の「本質を見抜くチカラ」が格段に上がるはずです。さあ、数字という名の扉を開けてみましょう。
なぜ、私たちBtoBセールスが会計用語でお客様と話せるようになる必要があるのでしょうか?
それは、「お客様のビジネスを本当に理解しようとしている」という強いメッセージになるからです。お客様からすれば、自分の会社の「お金の話」を理解しようとしてくれる営業担当者は、単なる物売りではなく、一緒に課題解決を考えてくれるパートナーだと感じてくれます。
これこそが、他社にはない「付加価値の高い人材」としての第一歩です。
先日、地方都市の通信代理店で働くチームリーダーの方が、大学時代の先輩(MBA取得、中小企業診断士を目指している勉強家)と飲んだ際に、こんな話を聞いたそうです。
「営業がお客様の個々の事情に寄りすぎると、提案がかえって抽象的になることがある。常に『その話は財務会計に置き換えるとどの科目になる?』と客観的に聞く訓練をすると、話の本質が見えてくるんだよ」。この先輩の言葉は、まさに核心を突いていますよね。
お客様との会話の中で、「このソリューション導入で、御社の〇〇という費用が削減できますね」「それは会計的に言うと、主に△△費用の改善に貢献できます」といった具体的な会計用語が出てくると、お客様は「この人はうちのビジネスを分かっているな」と感じ、信頼感は一気に増します。
そして、その信頼感こそが、他社より少々見積もりが高くても「あなたから買いたい」と言っていただける強い武器になるのです。
お客様と会計用語で話すための最初のステップは、「損益計算書(P/L:Profit and Loss Statement)」を理解することです。
P/Lは、一言でいうと「会社がどれだけ儲けて、どれだけ損したか」を示す成績表のようなもの。一定期間の会社の売上から、かかった費用を差し引いて、最終的に利益がいくら残ったのかを示しています。
なぜP/Lから始めるのが良いのか? それは、お客様が私たちBtoBセールスに相談してくる「悩み」や「課題」の多くが、このP/Lのどこかに影響を与えるものだからです。
売上を増やしたい、コストを削減したい、利益率を改善したい…これらはすべてP/L上の項目と直結しています。
例えば、お客様が「業務効率を改善したい」と相談してきたとします。
これは漠然とした悩みですが、P/Lを理解していると、「業務効率の悪さは、人件費や残業代、通信費、交通費といった経費の増加につながっている可能性があるな」「つまり、P/Lの『売上原価』や『販売費及び一般管理費』のあたりに課題が隠れているかもしれない」というように、話をお金の視点で整理できるようになります。
P/Lには、売上高、売上原価、売上総利益(粗利)、販売費及び一般管理費、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益といった項目が並んでいます。
最初は全部覚えなくても大丈夫。まずは全体像を掴み、「売上を増やす話」「コストを減らす話」がP/Lのどこに紐づくのかを意識することから始めましょう。
P/Lの中でも、私たちBtoBセールス、特にスマートフォンやクラウドサービスといったソリューションを扱う上で、特にお客様との会話の糸口にしやすく、具体的な改善提案に繋がりやすいのが「販売費及び一般管理費」、略して「販管費」あるいは「一般管理費」と呼ばれる部分です。
販管費には、お客様の会社の家賃、水道光熱費、通信費、交通費、広告宣伝費、役員報酬や従業員の給与・賞与、福利厚生費、研修費など、事業を行う上で発生する様々な費用が含まれています。
お客様の営業活動や、経理・総務といったバックオフィス部門の運営にかかる費用が多いのが特徴です。
あなたのチームが提案しているスマートフォンとクラウドサービスを組み合わせたソリューションは、まさにこの販管費の削減に直結しやすいものです。例えば…
といった具合です。お客様が「通信費が高いんだよね」「もっとペーパーレスを進めたい」と話されたら、「それはP/Lの販管費、具体的には通信費や消耗品費の削減につながりますね。
年間で換算すると〇〇円くらいのインパクトが出せそうです」と、会計用語を交えながら、具体的な数字で改善効果を示すことができます。
まずは、お客様の会社の販管費にどんな項目があるのか、どんな費用が多いのかに関心を持つこと。そして、自分たちのソリューションがその中のどの費用項目に貢献できるのかを結びつけて考える練習をすることから始めましょう。
きっと、お客様との会話が、これまでとは全く違う深みを持つようになりますよ。
お客様と会計用語で話せるようになることで、あなたのBtoBセールスは確実に次のステージへ進めます。今日の話をまとめると、特に重要な3つのポイントはこれです。
かつての結果が出ない時期があるからこそ、チームで共通の学びに取り組み、新しい「聴くチカラ」と「提案するチカラ」を身につける絶好の機会です。
お客様のビジネスの核心に触れる数字を理解し、共にお客様の利益最大化を目指す姿勢こそが、あなた自身の、そしてチーム全体の付加価値を高める一番の近道です。
この新しい視点と知識は、必ずやあなたの営業活動に安定と勢いを取り戻してくれるはずです。
お客様のビジネスを深く理解し、具体的な数字で価値を語るスキルは、一朝一夕には身につきません。体系的に学び、実践を重ねることが不可欠です。
特に、複雑なビジネス環境でお客様の本質的な課題を見抜き、生成AIのような新しいツールも活用しながら解決策を導き出すには、これまでのやり方では難しい場面も増えてくるでしょう。
4DL Technologies株式会社が提供するリスキリングサービス《ANT-B1》は、まさに非エンジニアであるビジネスパーソンが、お客様の複雑な業務課題を理解し、生成AIを操って解決策をデザインできるようになるためのトレーニングです。
お客様のビジネス課題と、自社ソリューションが創出する価値を、論理的に構造化し、数字で語る力を身につける上で、きっとあなたの強力な味方となるでしょう。
貴社の法人営業部門の変革、そしてチームと個人の付加価値向上に繋がる《ANT-B1》について、ぜひ一度詳細をご確認ください。