生成AIで複雑なビジネスを再現する、作業ではなく業務を生成AIで効率化する。そのためには、いきなりプロンプトを書き始めるのではなく、プロンプトの設計図を描きましょう。
4DLでは、プロンプトの設計図を作る上の考え方(設計思想)を《ODGC》と名付けています。今回は、ODGCとはどういうことなのかという記事です。
みなさん《聴くチカラ研究所》へご来訪ありがとうございます。4DL Technologies株式会社(フォーディーエル)の荒巻 順です。
「ODGC」は、Outline (アウトライン)、Detail (ディテール)、Generation (生成)、Correct (修正) の4つの要素で構成されています。まずは、それぞれの役割を理解しましょう。
Outline (アウトライン): プロンプト作成の第一歩は、全体像をしっかりと把握することです。
Outlineでは、ビジネスシナリオの目的や目標を明確に設定し、そのゴールに向かってプロンプトを設計します。例えば、BtoBコンサルティングセールスであれば、クライアントのニーズを的確に把握し、最終的にどのような提案を行うかがこの段階で決まります。
Detail (ディテール): 次に必要なのは、Outlineをもとに具体的な細部を詰めていくことです。
Detailでは、ターゲットとなるビジネスプロセスの重要な要素やステップを明確にし、それを反映したプロンプトを構築します。この段階で具体的な質問や指示を追加することで、ChatGPTの生成結果の精度が向上します。
OutlineとDetailはプロンプト作成の基本です。
ビジネスを再現する際、焦点が絞り込まれていないと、ChatGPTが曖昧な回答をしてしまう可能性があります。
たとえば、「顧客に対してどのようなアプローチを取るべきか?」という質問をする際も、顧客の業界、規模、課題などの具体的な情報をDetailに組み込むことが必要です。
具体的なビジネスケースとして、BtoBセールスの現場では、顧客がどのようなビジネス課題を抱えているかをプロンプトで的確に示すことが成功の鍵です。
このためには、Outlineで全体像を把握し、Detailでその細部に焦点を当てるプロセスが不可欠です。
生成された回答が期待通りになるためには、次のステップとしてGeneration (生成) と Correct (修正) が重要です。
Generation (生成): プロンプトの内容に基づいてChatGPTが実際に回答を生成するフェーズです。
この時点で、最初に設定したOutlineとDetailが十分に反映されているかを確認します。ビジネスシナリオにおいては、必要な情報が的確に引き出されているかどうかが、プロンプトの精度を左右します。
Correct (修正): ChatGPTは時折、予期しない回答を生成することがあります。
ここで重要なのが「Correct」のステップです。生成された内容に対して追加の指示を与えるか、再度プロンプトを調整し、望む結果に近づけるプロセスです。プロンプトエンジニアリングの試行錯誤がこの段階で必要となります。
例えば、BtoBセールスにおける顧客インタビューでは、最初の生成結果に対して、具体的な課題を掘り下げるよう修正を加えることで、さらに深い洞察を得ることが可能になります。
今回は、4DLプロンプトデザインの基本的な設計思想とそのプロセスについてご紹介しました。
次回は、具体的なビジネス事例を交えて、どのようにしてプロンプトを活用するかをさらに掘り下げていきます。どうぞお楽しみに!
4DL Technologies株式会社では、このプロンプトデザインの設計思想である《ODGC》を学ぶためのトレーニングを2024年10月にリリースします。ご興味のある方はぜひ資料をダウンロードしてみてください。