新年明けましておめでとうございます。4DL Technologies株式会社 Solution Design with AI Technology (SDA)部門の荒巻順です。2024年1月にはじまった《聴くチカラ研究所》へ、たくさんのご来訪いただき誠にありがとうございました。
2025年(令和7年)も《聴くチカラ研究所》のご愛顧をよろしくお願い申し上げます。本年も、皆様にとって有益な情報発信を続けてまいります。
今年は2024年に芽の出はじめた、OpenAI社のChatGPTやGoogle社のGeminiを中心とする生成AIの「ソリューション」と「トレーニング」をビジネスの柱として、生成AIの実装支援技術を更に進化させいく一年にしていきたいと、代表の荒巻智隼とともに考えています。
そのためには、お客様の課題解決のために更なるコミュニケーションとして、我々自身も「聴くチカラ」=「洞察力」をこれまで以上に磨いていきたいと考えています。
2025年元旦の本記事では、生成AI時代を勝ち抜くためのBtoBセールスのあり方、そして4DL Technologies株式会社の戦略と展望について、SDA部門のCCOとしてお伝えします。
2023年3月の設立以来、4DLは「ヒトとチームにReskillingを」をミッションに、生成AI活用ソリューションの設計・開発に取り組んでまいりました。
この間、OpenAI社のChatGPTやGoogle社のGeminiをはじめとする生成AIは急速に進化し、ビジネスの世界にも大きな変革をもたらしはじめてています。
私の専門分野のBtoBセールスにおいても、従来のような単なる物販や雑談を中心とした営業スタイルでは粗利も取れなくなり、ますますお客様の課題を通して見える真のニーズを引き出し、課題解決を付加価値の中心にするための「コンサルティングスキル」の重要性がますます高まっているのはいうまでもありません。
従来のBtoBセールスは、製品やサービスの機能説明や価格交渉が中心で、顧客との関係性構築よりも短期的な売上目標達成に重点が置かれていました。
しかし、生成AIの登場によりお客様自身で膨大な情報に容易にアクセスできるようになり、私たちの持つ製品やサービスの知識だけではお客様の満足する提案の主導権を持つことが難しくなっています。
生成AI時代のBtoBセールスには、お客様の発する言葉の奥にある潜在的な真のニーズや課題を見抜く「聴くチカラ」、すなわち洞察力が不可欠と再認識しています。
お客様のビジネス 課題や商談における障壁を深く理解し、お客様利益に最適な解決策を提案すること。その結果が初めてお客様との長期的な信頼関係の構築。そして私たちの会社利益の確保と合わせ共に成長していくことができるのです。
このような状況をふまえ、4DLは生成AIを活用したコンサルティングセールスの変革に注力し、BtoBセールスを受け持つヒトとチームの支援をコアバリューとしていきます。
とくに長年おつき合いのある通信業界においては《業界の景色を変える営み》と題して、生成AIなしに商談はできない状況の実現を目指していきます。
コンサルティングセールスとは、お客様のビジネス課題を解決するために、専門的な知識や情報を分析する顧客視点のスキルを駆使して、最適なソリューションを提案する営業手法です。
生成AIを活用することで、お客様を取り巻く環境と個社の特有事情からの課題仮説の戦略的立案。その課題を検証するための作戦を生成AIと対話しながら構築。
最終的に顧客のニーズをより深く理解し、パーソナライズされた提案を行うことが可能になります。
また、大量のデータ分析や資料作成を自動化することで、営業担当者はよりお客様とのコミュニケーションに集中し、行動量の増大と、行動の質の向上を実現することができます。
4DLは、コンサルティングセールスに必要なリスキリングのためのトレーニングプログラムや、生成AIを活用した営業支援ツールを提供することで、エンタープライズ企業のBtoBセールス強化を引き続き支援しています。
4DLは、2022年11月のChatGPT GPT-3.5登場以来、いち早くビジネス(とくにBtoBコンサルティングセールス)への実装を技術的側面と実務的側面から検証をしてきました。
弊社代表の荒巻智隼が技術開発の中心になり、生成AIやMetaverse/VR技術を活用した4次元学習の研究開発を担当し、私が長年のビジネス経験を活かしたBtoBコンサルティングセールス分野への新しいサービス企画・コンサルティングを担当しています。
その中で2023年には、生成AIを使ったビジネスソリューションツールやトレーニングプログラムの開発を、前例がどこにもない状況の中試行錯誤をしてきました。
その中で生まれたのが、ANT ser. (AI Native Training) と ANC ser. (AI Native ConsultingSales) です。
ANT ser.は、非エンジニアの方でも生成AIを使いこなし、業務効率化や新たな価値創造を実現できるようになるためのトレーニングプログラムです。
最初に開発したANT-B1というトレーニングは、多くの生成AI基盤整備後の障壁に当たっているエンタープライズ企業から共感と評価を得ています。
具体的には、(プロンプトの)図面を描かずに、どうやって複雑な業務を生成AIに再現させるのだ。そして、その図面を非エンジニアが自走的に作ラなければ企業資産にならないだろう!というコンセプトが刺さったと自負しています。
今年は、ANT-B2という非エンジニアがノーコードでAIアプリ(Dify)の作成をするトレーニングのローンチも決まっています。
そして、ANT-B3という社内業務の暗黙知を形式知に変換し、生成AIのプロンプトをビジネスを一番知っている自分たちで設計できる、生成AI設計リーダーの育成プログラムの開発もする予定になっています。
もうひとつの柱である、ANC ser.は生成AIを活用することで、コンサルティングセールスの《量の質化・質の量化》を実現するための業務特化型のオーダーメイドソリューションです。
お客様にモノを売るのではなく、事業課題の解決を通じて付加価値を創造しお客様と永続的なビジネス(囲い込み)を実現するためのツールです
このANC ser.というソリューションは、私が長年NTTコミュニケーションズ様の代理店法人営業部門の育成プログラムの企画・設計・開発を四半世紀を超えて行ってきたノウハウを、弊社代表の荒巻智隼がChatGPTに置き換えることを実現したところからスタートしました。
実際に、利用したお客様からは
・「お客様とどう対話をすると事業課題を共有できるのかが判った」
・「高付加価値商材のソリューション提案リードが取れる」
・「お客様企業の今までとは異なる窓口につないで貰える」
・「ChatGPTをお客様の目の前で使いながら課題を掘り下げていくと本音の引き出しがしっかりできる」
などという評価を得て、想定以上の効果が実証されています。
昔から様々な研修などでお伝えしてきたコンサルティングセールスの目指す姿が、PCやタブレットの中で生成AIを操作すれば実現できるのです。
まだまだ、アプリケーションとしてのI/Fやフローの改善や、精度の高いスクリプト生成、課題に対して適切な提案内容の生成などの開発側の課題は残っています。
しかし生成AIの登場で、高度なコンサルティングセールスを仮想環境である研修受講などでの時間経過とともに効果が薄れる可能性の高いスキルアップではなく、現実の実務内でツール操作を覚えれば誰もができるようになるのです。
※もちろん昔ながらの研修という営みの存在を否定するつもりもなく、講師という存在が人の気持ちと行動を変えるという事実も判っている人間のつもりです。
そして、お客様との関係の中で実践的に生成AIと対話をしながら進め、成果が上がることが実証されたと感じています。※もちろんド新人法人営業が、その日からコンサルティングセールスのベテランに変身するような魔法のるツールではありませんので、ある程度の前提条件スキルをもったスタッフじゃないと効果はないでしょう。
これらのサービスを通じて《ヒトとチームのReskilling》を実現し、お客様のビジネス方針の浸透を通じた目標の達成。そして営業現場のデジタル化を通じた事業変革に寄与していくつもりです。
2024年は東京ビッグサイトで11月に開催された展示会への出展や、積極的に取り組んだデジタルマーケティングなどを通じて、色々な業種の企業担当者様との出会いがありました。
その出会いを通じた商談の中で、エンタープライズ企業における生成AI活用の現状と課題を目の当たりにしましたのは、4DLとして本当に収穫だったなと感じています。
多くの企業が経営層のリーダーシップのもと、生成AI基盤の導入を進めています。しかし、実際に現場で生成AIを活用する段階になると、様々な障壁に直面していることがわかりました。
特に、非エンジニアの社員にどのように生成AIの実務スキルを付与すれば良いのか解答がない。
生成AIが強力なツールであるのは判っているが、自分の会社の業務へどのようにフィットさせればよいのかわからない・・・
という声が多数聞かれました。
生成AIは強力で底知れぬポテンシャルをもつツールですが、使いこなす(自社に最適に操る)には想像以上に高い知識とスキルが必要です。
多くの企業は「自然言語処理(NLP)」という生成AIの技術的特徴を甘く見ています。
大事なことは、生成AIに単純な作業をさせることではなく、複雑な業務を自社の状況や事情、背景や制度にそって生成AIに置き換えることではないでしょうか?
そのためのプロンプトを設計できる人はいますか?
こんな話しを商談ですると、ほぼ全部のエンタープライズ企業のデジタル経営推進部門やIT戦略部門の方はマネジメント層も含め同意をして下さいました。
これは、ある意味致し方ないことだと思います。
なぜならば一般的な業務システムと違い、登場したばかりの生成AIユースケースが見えないからです。誰もまだ本当に使いこなしている人が世に少ないからだと思います。
そういう背景もあり、出来てまもない4DLのようなスタートアップの掲げる「デザインコンセプト(設計思想)や「ソリューションコンセプト(商品特徴)」に興味関心を持っていただけると感じた去年でした。
今年は、4DL Technologies株式会社として勝負の年だと考えています。一般的に、新しい商売が安定軌道に乗るのには、3年はかかるというのが定説です。
2023年に立ち上がった4DLは、昨2024年に色々なマーケティング活動が功を奏し、生成AIのソリューション企業としての認知も世間にされ、ようやく離陸をしはじめた状況だと思っています。
2025年は、少ないリソースと言う前提(ここの確保改善も優先度の高い4DLの経営課題)のなか、更に「選択と集中」を徹底した方針でビジネスを進めていきたいと考えています。
事業展開方針
技術開発方針
マーケティング方針
これらの方針を進めることで、4DL Technologies株式会社はSDA部門の事業を加速して行きたいと考えています。
さて、最後に《聴くチカラ研究所》は、4DL Technologies株式会社が運営する公式ブログです。
生成AI時代を生き抜くための情報を発信し、読者の皆様の「聴くチカラ」向上に貢献することを目的としています。
具体的には、以下のテーマを中心に情報を発信しています。
《聴くチカラ研究所》は、これらの情報を発信することで、
読者とのエンゲージメント強化を通じて、4DLというできてまもないスタートアップの更なる認知向上を目指したいと考えています。そして多くのファン作りを進めていきたいなと考えています。
また、《聴くチカラ研究所》は、読者からの質問や意見を積極的に受け付け、双方向のコミュニケーションを促進して行くことが大事だと思っています。
こんな記事を書いてほしいとか、こんな悩みがあるんだけどどうしたら解決できるのかなどのご要望をぜひお寄せください。
4DL Technologies株式会社は、《聴くチカラ研究所》を通じて、生成AI時代における「聴くチカラ」の重要性をデジタルとアナログの両面から掘り下げていきたいと思います。
2025年も皆様のお役に立てる4DL Technologies株式会社をブログを通じて感じ取っていただけると有り難く思います。
新年早々、長文におつき合いいただきありがとうございました。