聴くチカラ研究所|4DL Technologies株式会社

BtoBセールス:営業活動「量」を正しく増やす

作成者: 荒巻順|2025/02/16 23:00:00

市場の成熟や激しい価格競争が続く中、BtoBセールスにおいて改めて「量」を意識することは、実は大きな成果を生み出すカギのひとつです。

特にICT業界の法人営業では、長年「質」にこだわり抜いてきた方ほど、いま「量」をどう取り扱うかが新たな成長ポイントになります。

今回は、営業活動量を“正しく”増やすための考え方や実践方法を解説し、あなたの営業スタイルをさらにアップデートするヒントを探っていきましょう。

みなさん こんにちは《聴くチカラ研究所》の荒巻順です。ブログへのご訪問、ありがとうございます。

 

目次

1.営業の成果を上げるためには「まず活動量を増やす」ということが正しい理由

  • 成果を伸ばすには量が要る
  • 量は質を磨く“原動力”
  • 未知の顧客と可能性を広げる


首都圏での営業経験を積み、業界分析や個社分析を徹底し、丁寧にヒアリングを重ねることで「質」の高いBtoBコンサルティングセールスを実践してきた方にとって、「量を増やす」というテーマは少し違和感があるかもしれません。

しかし、どんなに優れた営業スキルを持っていても、実際に対面するお客様の数が限られていると、そこで生まれる商談の数も自ずと限られてきます。

新たな商談や課題発掘のチャンスを増やし、自社の提案可能性を広げるには、まず「営業活動の母数」を増やすことがとても大切です。

さらに「量をこなす」過程では、自分では思いもよらなかった顧客層や用途を見つけ出すことができます。

地方の政令指定都市などの新しい拠点では、これまで首都圏では接点が少なかった中小企業が数多く存在します。

彼らのビジネスモデルは小規模ながらユニークなものも多く、契約金額や粗利額が首都圏の大企業より小さいとしても、積み重ねることで大きな成果につながる可能性があるのです。

また「量こそ質を生む」という言葉もあるように、数多くの商談や提案を重ねることで、これまで磨いてきたヒアリング力や洞察力に、さらに深みが加わります。

仮に商談の規模が小さくても、回数を積むことで新しい切り口や提案手法のアイデアが得られるかもしれません。

「量がすべて」ではありませんが、まず「量を増やす」という姿勢は、コンサルティングセールスの成長を後押しする土台になるのです。

 

2.営業活動を「正しく増やす」ために、はじめに考えないといけないこと

  • 目標とKPIを明確化する
  • ターゲット優先度を設定する
  • 自分の強みを再確認する


営業の活動量を増やそうと決意したら、まずは「正しい方向に活動量を増やす」ための準備が欠かせません。

むやみに訪問件数や電話数を増やしても、結果として社内的な評価やお客様との関係構築が望むように進まなければ本末転倒です。

そこで重要なのは、何をゴールに据えてどのKPIを優先して追いかけるかをはっきりさせること。例えば、月間で新規アポイントを〇件獲得する、クロスセルの提案を〇件行う、といった具体的な指標を定めておくと、チームや上司にも共有しやすく、自分自身も方向性を見失いにくくなります。

次に「ターゲットの優先順位付け」を慎重に行いましょう。

ICT業界の場合、同じ通信サービスを扱っていても、お客様の課題は業界によって全く異なります。地方では製造業や農業関連企業、サービス業など多種多様なビジネスモデルが混在しています。

限られた時間の中での営業活動量を最大限に活かすためには、自分が最も提供価値を発揮できる業界や、より早く成果が期待できる業界を見極めることが大切です。

そしてもうひとつのポイントは「自分の強みを再確認する」ことです。

あなたが既に持っているBtoBコンサルティングセールスやヒアリングのスキルは非常に貴重なアセット。この強みをより短時間で活かせるお客様像をイメージし、それに合致するターゲットを集中的に攻めることが、

ただ闇雲に件数を稼ぐよりも効率的です。こうした下準備をしっかり行うことで、営業活動を「正しく」増やす土台が固まります。

 

3.営業活動量は「決められた時間の中で」という制約条件をクリアするのに全員苦労している

  • 時間は有限で増やせない
  • 選択と集中がカギになる
  • ムダを徹底的に排除する


もちろん、営業活動の「量」を増やしたくても、1日は24時間という現実があります。

首都圏と比べると移動時間がやや短縮されるかもしれませんが、地方都市においてもエリアが広かったり、公共交通機関の便が限定的だったりすると、やはり時間を大幅に増やすことはできません。

多くのBtoBセールスパーソンが、この時間制約の壁を感じ、苦労しているのではないでしょうか。

ここで重要なのは「選択と集中」という考え方です。

前のテーマでも触れましたが、KPIやターゲットの優先度が明確になっていれば、成果に結びつきやすい活動へどれだけ時間を集中投下できるかが成果を大きく左右します。

さらに、そのためには「ムダを徹底的に排除」する必要が出てきます。例えば顧客へのメール連絡や商談資料の準備、見積もりの作成といった事務作業は、なるべくアシスタントさんや同僚を巻き込む、あるいは生成AIツールを活用して省力化するといった方法が考えられます。

特に最近はChatGPTやGeminiなどの先進的な生成AIを使うことで、顧客データのまとめや簡易な提案書のドラフト作成、競合情報のリサーチなど、手間のかかる業務をスピーディにこなせるようになりました。

こうしたAIを積極的に導入すると、これまで1時間かかっていた作業が数十分以内に完了する場合もあります。その浮いた時間を新規訪問やオンライン商談のセットアップに回すことで、営業活動量全体を底上げできるのです。

限られた時間の中でも、ムダを減らしてコア業務に集中すれば、必要な「量」は十分確保できます。

 

4.自分ですべき「活動」と、アシスタントさんやAIとかに任せる「活動」を棚卸ししてみよう

  • コア業務と非コア業務を区別
  • 生成AIを賢く使いこなす
  • 任せた分だけ自分の価値が高まる


地方拠点に異動して、担当する企業数が一気に増えた場合、どうしてもこなすべき業務量が膨大に感じられます。

とはいえ、すべてを自分で抱え込んでいては、訪問件数や電話、オンライン商談の回数を増やす時間が足りません。そこで必要なのが、自分が「直接やるべき業務(コア業務)」と「他者やツールに委託できる業務(非コア業務)」の仕分け作業です。

コア業務とは、あなたの営業スキルやコンサルティング能力を直接活かす場面です。

お客様の経営課題を深掘りして解決策を提案したり、ステークホルダーと関係性を築いたりするのは、営業担当者にしかできない大切な仕事です。一方、提案書のラフ作り、メール文章のドラフト作成、リサーチの一次情報整理などはAIやアシスタントさんに任せられる場合が多いでしょう。

ChatGPTやGeminiのような生成AIを適切にプロンプトデザインし、指示を与えれば、相当な時短効果が期待できます。

「任せる」ことは決して手を抜くことではなく、むしろあなたの本来の価値を高めるための戦略です。

単純な作業から解放され、より多くのお客様と向き合う時間を確保できれば、新規案件の発掘やより深いヒアリングの実施に集中できます。

こうした取り組みは、やがて大きな成果と「付加価値の高い人材」としての評価につながるはずです。AIに任せる部分が増えれば増えるほど、人間にしかできない洞察力やコミュニケーション力の重要性が際立ちます。

「委譲する勇気を持つ」ことが、コンサルティングセールスとして活動量と成果を両立させる秘訣です。

 

5.まとめ

1. 「量」を増やすことで新しい商機や学びが得られる
2. 「正しい方向」で活動量を増やすためにKPIを明確化する
3. コア業務と非コア業務を仕分けて、時間を最大限に使う

首都圏から地方都市に異動し、多くのアカウントを担当するようになった今こそ、量と質を組み合わせたアプローチがあなたの営業活動を大きく前進させます。

まずは具体的な目標を設定し、時間の制約を打破する工夫を凝らすことで、圧倒的な行動量と洗練されたコンサルティングスキルの両立が可能になるのです。

ぜひ、自分で自分の作り上げてきたBtoBコンサルティングセールスのノウハウを生成AIで実現するためのプロンプトエンジニアリング力を身につけることをお勧めします。

少し上級編になりますが、4DL Technologies株式会社では《ANT-B1》というトレーニングを用意しています。ご興味があったらぜひ資料をダウンロードいただければ嬉しいです。

ところで、皆さんは《AI Agent》というのはご存じですか?生成AIが皆さんの代わりに色々な事情や状況をくみ取って自動的に仕事をしてくれる仕組みです。

4DL Technologies株式会社は、AI Agentの開発も行っています。現在はDifyを開発プラットフォームとして展開していますが、MS Copilotへの展開も近いうちにはじめる予定になっています。

もしも、BtoBコンサルティングセールス部門のAI Agent開発のご要望がありましたら何なりとお問い合わせください。AI Agentの開発技術と、BtoBコンサルティングセールスの本質が両方判っているのは、(たぶん)日本では4DL Technologies株式会社だけと自負しています。