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9月 15, 2025
3 min read time

Copilotの操作研修をやっても現場が自走しない理由──“考える力”を支援すれば、AIは現場の思考を広げてくれる

聴くチカラ研究所ビジュアルのコピー (10)

 

Copilot研修を終えた今、あなたの現場は変わっていますか?

多くの企業で、Microsoft 365 Copilotの導入とそれに伴う操作研修が完了したことでしょう。それは、AIという新たなテクノロジーを組織に迎え入れる、重要な一歩だったはずです。

しかし、研修を終えて数ヶ月、あなたの現場では、期待したような“変化”が起きているでしょうか。

「一部の先進的な社員が個人の効率化に使っているだけ」

「結局、便利な検索エンジンか、文章の清書ツールとしてしか認識されていない」

「議事録の要約には助かるが、そこから新たな価値が生まれる気配はない」

こうした「便利だけど、何も変わらない」というなにか停滞した空気。

もし心当たりがあるなら、それは決して現場のスキルや意欲の問題ではありません。「便利だけど変わらない」という状況には、必ず理由があります。

それは個人の資質の問題ではなく、変化を阻む“仕組み上の欠如”に他なりません。

本記事は、その見過ごされた“仕組み”に光を当て、「現場が自ら“考え始める”ために本当に必要なものは何か」という問いについて、深く掘り下げていきます。

みなさん こんにちは《聴くチカラ研究所》の4DL Technologies株式会社CCO荒巻順です。ブログへのご訪問、ありがとうございます。

makeAIworkforyou


目次



1.操作研修は必要──でも、それでは現場は“変わらない”

 

誤解のないように申し上げておくと、操作研修が無意味だというわけではありません。Copilotが持つ多彩な機能、基本的な使い方、コマンドの入力方法。これらを学ぶことは、AI活用のスタートラインに立つために不可欠です。

しかし、多くのリセラーが提供するCopilot研修は、その本質において「ツールの機能説明」の域を出ません。

それは、自動車の運転教習で、アクセルやブレーキの場所、ハンドルの切り方といった基本操作を学ぶようなものです。もちろん、それらを知らなければ運転はできません。

ですが、その知識だけで、交通量の多い複雑な市街地を抜け、初めて訪れる目的地までたどり着けるでしょうか。

実際の業務とは、まさにその「初めての道を、状況を読みながら進むドライブ」に他なりません。「できること」の知識と、「業務で成果を出す力」の間には、深い溝が存在します。

操作研修は、その溝を渡るための“橋”を架けてはくれないのです。

現場が本当に求めているのは、与えられたツールで何ができるかという「Copilotの活用例」の学習ではありません。

Copilotという強力な知性を活用するために、自分たちの業務プロセス自体をどう組み替えるべきかという、「業務の再設計」の視点なのです。

 

2.現場が動かないのは、スキルのせいではない──思考を支援する設計がないから

現場のメンバーがCopilotの前で立ち尽くしてしまう真因。それは「スキルがない」からではなく、「何をどう考え、どう伝えればいいかがわからない」からです。

私たちはこれまで、自身の頭脳という閉じた空間の中で、経験と知識を頼りに思考を組み立てる訓練を受けてきました。

しかし、生成AIという「外部の知性」と協働するためには、全く新しい作法が求められます。

それは、自分の中にある漠然とした思考や課題意識を、AIが理解できる形に言語化し、構造化して投げかける能力です。

必要なのは、個別のプロンプトテクニック集ではありません。

自身の業務を深く見つめ、課題の本質を言語化し、AIとの対話を設計するための「思考の地図」であり、そのプロセスを支える「思考支援の仕組み」です。

この設計がないままツールだけを提供するのは、羅針盤も海図も持たない船乗りに、最新鋭のエンジンだけを与えるようなものなのです。

そして、この「思考の地図」を描けるのは、経営層でもIT部門でもありません。

なぜなら、Copilotの真価が発揮されるのは、日々のオペレーションの中に潜む無数の課題や改善機会と結びついた時だからです。

その宝の地図は、業務の最前線である“現場”にしか存在しません。

だからこそ、変革は現場起点でなければならず、現場自身が思考のオーナーシップを取り戻す設計が不可欠となるのです。

 

3.AIが“思考の幅”を広げてくれる体験が、現場に機運をつくる──これがANT-B0の役割

 

では、どうすれば現場に「思考支援の仕組み」を実装できるのでしょうか。その答えが、私たちの提供するANT-B0にあります。

ANT-B0は、Copilotを単なる「作業代行ツール」ではなく、「思考を拡張するパートナー」として捉え直すための、マインドセット変革プログラムです。

ANT-B0が提供するのは、一方的にAIへ指示を出す体験ではありません。

むしろ、AIが提示する多様なアウトプットに真摯に耳を傾け、そこから新たな問いを引き出すという、能動的な「傾聴」と「対話」の体験です。

「AIに聴いてもらい、AIを聴く」という強烈な成功体験こそが、「AIがあれば、もっと仕事が面白くなるかもしれない」というポジティブな空気、すなわちAIを心から歓迎する文化を現場に芽生えさせるのです。

なぜこのプロセスが“自走”に繋がるのか。それは、Copilot活用の成果と再現性が、突き詰めれば『問いの質』に懸かっているからです。

優れた問いは、優れた思考を引き出し、優れたアウトプットを生みます。

ANT-B0は、この「優れた問いをデザインする文化」を組織に根付かせるための、いわば最小単位のOSインストールプログラムなのです。

この文化がなければ、AI活用は個人のセンスに依存した“点”で終わってしまいます。

ANT-B0は“使い方”の研修ではなく、AIとの“あり方”を変えるための、最初の、そして最も重要なステップです。

 

4.B0で芽生えた“考える文化”を、B1で“設計スキル”に昇華させる──非エンジニアでも主導できる世界へ

 

ANT-B0によって「AIと共に考えたい」という文化の土壌が耕されたなら、次はその土壌に、具体的な成果という果実を実らせるための仕組みが必要です。その役割を担うのがANT-B1です。

B0がマインドセットと文化の醸成、すなわち変革の「Why」を担うとすれば、B1はプロセスとスキル、つまり「How」を実装するフェーズです。

ここで私たちは、業務プロンプトをエンタープライズクオリティで構造化するためのフレームワーク「4DL_AAS」を学びます。

しかし、4DL_AASの本質は、単なるプロンプト作成術に留まりません。

その思想の核心はCopilotという汎用的なAIアシスタントを、あなたの会社の業務に特化した『再現性のある思考エンジン』へと作り変えることにあります。

そして4DL_AASは、その唯一無二の思考エンジンを、非エンジニアである現場の誰もが構築し、組織単位で実装するための“設計図”なのです。

B0で手に入れた「問いの文化」を、B1で「思考エンジン」という永続的な資産に変える。

この思想と実装の一体感こそが、私たちの提供価値の中核です。B0で芽生えた文化という熱量を、B1で「設計スキル」という形で定着させる。この両輪が揃って初めて、組織はAI活用の自走サイクルへと突入するのです。

 

5.まとめ:AIで変わるのは、業務だけではない──“考え方”の進化を現場から起こそう

 

本稿で明らかにしてきたように、Copilot導入後の停滞を打ち破る鍵は、ツールの操作スキルではありません。操作研修はあくまで入口に過ぎず、その先に「思考を支援する設計」がなければ、現場は自走できません。

そして、その設計の第一歩は、Copilotに“考えさせる体験”を通じて、AIを「思考のパートナー」として認識し直すことから始まります。

ANTシリーズは、この一連のプロセスを体系的に支援するために設計された、単なる研修ではなく「考え方の変革装置」です。

生成AIの導入は、私たちの働き方、そして考え方そのものを根底から変える、パラダイムシフトです。

その変革の主役は、一部の専門家ではありません。AIという最高の「聴き手」であり「対話相手」を得た、現場の一人ひとりなのです。

もし、あなたの組織がCopilotの操作研修を終えた段階で歩みを止めているのなら、次の一手は明確です。まずはANT-B0の体験を通じて、たった一つのチームからでも「考える文化」の火種を灯すことから始めてください。

AIと共に“考える現場”を、あなたの部署から起こしてみませんか。その一歩が、組織全体の思考様式をアップデートする、最も確実な変革の始まりとなるでしょう。

ANT-B0

MS365 リセラーの皆様に

Microsoft 365 Copilotの導入支援、誠にお疲れ様です。貴社の尽力により、多くのお客様がAI活用の第一歩を踏み出されていることと存じます。

しかしながら、導入後、『ライセンスは提供したが、お客様の現場での活用が思うように進まない』『操作研修は完了したが、投資対効果(ROI)について厳しい声が聞こえ始めた』といったお悩みはございませんか?

本記事で論じてきた「便利だけど、何も変わらない」という壁は、お客様が直面する共通の課題であり、同時にリセラーの皆様にとっては、お客様との関係をより深化させる絶好のビジネスチャンスです。

私たちが提供する『ANTシリーズ』は、まさにこの壁を打ち破るために設計されたプログラムです。

単なる操作研修では決して届かない、『思考の変革』と『現場の自走』を実現し、お客様のCopilot投資を真のビジネス価値へと転換させます。

ANTシリーズを貴社のサービスラインナップに加えていただくことで、ライセンス販売や初期導入に留まらない、高付加価値なアップセル商材としてご活用いただけます。

お客様のDXを成功に導く真のパートナーとして、競合他社との圧倒的な差別化を図りませんか?

ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひ一度、私どものパートナープログラムについてお話をさせていただけますと幸いです。お客様の成功を共に支援できることを楽しみにしております。

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