あけましておめでとうございます。4DL Technologies株式会社の荒巻 順です。私も、今年の10月でとうとう65歳という前期高齢者の仲間入りです。
まだしばらくは現役を続けることはお約束します。しかし、時代の流れは残酷なもので今の調子でお客様と丁々発止(日本語合ってますか?)のやり取りができるのは、たぶんあと3~4年が限界でしょう。
今回の記事は4DL Technologies株式会社のCCOではなく、私荒巻順のビジネス感、商売人、コンサルタントとしてのパーソナル的な位置づけの雑記として読み進めていただけると幸いです。

私がいま4DLで生成AIに全振りしている理由は、単なる流行だからではありません。
1990年代、ITから始まった「アナログのデジタル化」の流れから、次の世界線であるだろう「デジタルのアナログ化」へ振れる、その振り子のエネルギーとして生成AIがいると確信しているからです。
新年という節目に、私の「根っこ」にある想いを少しお話しさせてください。
目次
1. 振り子の正体:「きっちり」から「しなやか」へ
歴史を振り返ると、世の中は二つの状態を行ったり来たりしています。
ここ30年ぐらいITの世界にいる中で常々考えているのが「アナログのデジタル化」から「デジタルのアナログ化」という世界線です。
ここで少し、イメージしてみてください。
- アナログ(正弦波): 水面に広がる波紋や、人の呼吸のような「なめらかな動き」です。あいまいで、文脈によって形を変える、いわば「生きた世界」です。
- デジタル(矩形波): スイッチのONとOFFのように、カチッ、カチッと「区切られた動き」です。効率的で、誰でも同じように測れる、いわば「整理された世界」です。
これまでの20年、私たちは「正弦波(なめらかな流れ)」を「矩形波(ゼロイチの数字)」に変えることに必死でした。
紙や記憶をデータ化し、知識や経験をすぐに検索共有ができるようにする。PCやスマホなどのデジタルディバイスで、いつでもどこでも参照や投入、そして誰でも数値などですぐに見ることができる世界。
これが「アナログのデジタル化」の最たる部分だったかもしれません。
これによって、私たちは「デジタル情報を切り口に事象を管理する力」を手に入れ、バブルの崩壊や長期のデフレで崩壊しかけていたヒトの営みを再現性として繋ぎ止めてきましたのかもしれません。
しかし、その代償もありました。カチッとしたデジタルには必ず「角(かど)」があります。
その角が、人間の感覚も含めたアナログな営みとぶつかると、どうしても「摩擦」や「痛み」が生まれてしまいます。
デジタル化が進んだことで、逆に「現場が疲弊した」と感じるなら、それはデジタルの持つ「角」が、私たちの営みに突き刺さっている証拠なのかもしれません。
2. 生成AIは「角」の配置を司る装置
そのような中、2022年11月から静かにそして確実に、振り子は逆方向に振れ始めているのではないでしょうか。
デジタルという便利な骨格は維持したまま、もう一度、人間が更に知恵を絞って価値を生む出す世界。
私の考える「デジタルのアナログ化」という世界線であり、キーテクノロジーであろうと考えているのが”生成AI”です。
ChatGPTが社会に登場した時に多くの人がインパクトをもって受け止めたと思います。
しかし、生成AIの凄さは単に「文章が書ける」ことではありません。デジタルの「角」を、相手や場面に合わせて、その場で「丸めたり、尖らせたり」調整してくれるところにあるのではないかと、最近つくづく感じます。
たとえば、ルールを厳格に守るべき場面では、AIはデジタルらしい鋭い角を保ちます。
一方で、現場の悩みを聞くような場面では、その角をなめらかな言葉で包み込んでくれます。これまでのITツールは、人間がツールの「角」に合わせて自分を削る必要がありました。
生成AIは、AIが人間の文脈に合わせて形を変えてくれます。私はこの状況を「デジタルに血が通う」という表現でもいいかなと思っています。
私にとってDXとは、単なるデジタル化ではありません。
複雑な世界を「人間が自在に動ける形に整え直すこと = 能力の解放と加速での価値創造の場作り」なのです。
生成AIとの対話を通じて座標系が滑らかに切り替わる体験は、まさにこの「整え」を体現してるのではないでしょうか?
3. 「安心」という名の免責装置にご用心
切り口を変えます。
多くの組織が「KPI(重要業績評価指標)」という数字を日常の会話で使うようになってどのくらいの時間がたつでしょう。
もちろん数字は大切ですが、数字は時に「安心のための言い訳(免責装置)」になってしまいます。
「データでこう出ているから」と安心しているうちに、数字に表れない「現場の違和感」や「未来への予兆」を見逃してしまう。
世の中は、予想もしない変化が起きる「非線形(一本道ではない)」な世界です。
平均値や過去のデータばかり見て安心している組織は、相転移のような大きな変化の波に呑み込まれてしまいます。
生成AIは、数値化される過程で捨て去ってしまった「文脈」を拾い上げ、もう一度思考のきっかけを生み出し、我々のアクションのエネルギーになる言葉にしてくれます。
データドリブンの先にある「文脈を大切にする経営」。それこそが、非線形な時代を生き抜くために、いま最も必要な道なのかなと日々感じています。
そして、この「文脈の回復」は、ヒトとチームを劇的に変容させます。
デジタルの角に怯え、決められた処理をこなすだけの「受動的」なチームから、文脈を読み、先を見通して自ら動く「プロアクティブ(主体的・先駆的)」なチームへ。
デジタルがアナログの滑らかさを取り戻した時、人はようやく「管理される客体」から、未来を創る「主体」へと戻ることができるのです。
4. なぜ、私は「野良犬」として生きるのか
よく飲みの席などで自分自身のことを敢えて「誇り高き野良犬」という言葉で表現しているのを聞いたことがある近しい方も多いと思います。
その表現を使うことが、もし公式ブログの表現として相応しくないと感じる方がいらっしゃいましたら、お正月気分で読み流していただければ幸いです。
実は私は、学校を卒業してから一度も「会社勤め」をしたことがありません。よく冗談で言うのが「人生今まで預かった肩書きは、中学の生徒会長と、社会人になってからの代表取締役だけ」なんて受け狙い半分のネタです。
家業の鉄工所という「現場の血」が流れる場所から始まり、一貫して組織に属さない independent な立場で、IT、モバイル、そして今のAI業界へと移り変わってきましたが、一貫してどこかの組織に属することなく「Independent(独立)」として生きてきました。
大きな看板を背負い、組織という精緻なシステムの中で自らの役割を全うすることは、社会を動かすための確実な力です。
しかし、Independent(私の言う野良犬)は違います。
誰にも守られない代わりに、常に自分の鼻(嗅覚)だけを信じて生き、自分自身で看板を立てていかなければなりません。
私が生成AIに全振りしているのは、それがお客様と自分に最高の共通利益を生み出せる「良い匂い」がしたからです。
そして、この「野良犬の嗅覚」こそが、不確実な時代を生き抜くための本質的な力だと信じています。
私が仕事で最も大切にしているのは、「相手の利益とこちらの利益が、共に最大化される地点」で合意することです。
私たちが営む「いわゆる商売」は勝者敗者がはっきり出る”ゼロサムゲーム”ではありません。
共に価値を増やすための設計図を描き、そこに物語を見出すこと。これがビジネスの本質でしょう。
そのためには、自分自身が「主体」として向き合い、相手もまた「主体」であることを求めます。
幸いなことに、今、私がお付き合いさせていただいているお客様は、組織の肩書きを超えて向き合ってくださる方々ばかりです。
しかし、一般論としての巨大組織の現場では、時として看板を盾にして要求を突きつけながら、返球が来ると「自分には権限がない」と組織の影に隠れてしまうという現象が起きます。
これは個人の資質というより、役割の分担が細分化されすぎた巨大組織特有の病理なのかもしれません。
看板の後ろに逃げ込むのではなく、一人のプロフェッショナルとして敬意を払い、剥き出しの主体として向き合うこと。
相手を「手段(道具)」として扱うのではなく、一人のプロフェッショナルとして敬意を払うこと。
それが、私の守りたい商売の「筋」であり、お客様との長いおつき合いネバーエンディング・ストーリーを共に紡ぐための絶対条件です。
5. リーダーを孤独にしない、メンバーを迷子にしない
最後に、私がコンサルティングという切り口での仕事を通じて、常にお客様に寄り添う際に大事にしていることがあります。
未来を切り拓くリーダーは、いつも孤独です。
彼らが見ている広い景色(正弦波)は、そのままでは周囲に伝わりにくいからです。
一方で、現場のメンバーは、日々のタスク(矩形波)に追われ、方位を見失い、迷子になってしまいます。
私の役割は、その「あいだ」に入ることです。鉄工所の親父が図面を読み解き、現場の職人に伝えるように。リーダーの熱い想いを噛み砕き、メンバーが納得できる言葉に変える。
いまは、それを生成AIというプラットフォームで実現する事に残りのビジネス人生を賭けています。
迷子が解消されたチームは、間違いなく強い。ここ共感をいただける方は多いのではないでしょうか?
どこへ向かうべきかが文脈として共有されていれば、メンバーは指示を待つことなく、自らの意志で先回りして行動し始めます。ヒトの持つだろうこのプロアクティブな変容こそが、「デジタルのアナログ化」がもたらす最大の果実の一つなのではないでしょうか。
現場の切実な声を、リーダーが判断できる形に整えて届ける。そのために、デジタルに血を通わせる。生成AI時代の働くということの「あり方」ではないかとも思います。
2026年も、この旗の下で仕事を続けたいと考えています。
記事執筆者
荒巻 順|Jun Aramaki
4DL Technologies株式会社 CCO(AI Solution Design 担当コンサルタント)

生成AIを単なる効率化ツールで終わらせず、AI時代のDX推進におけるCopilot活用や、ChatGPT・Geminiなどの生成プラットフォーム活用の鍵となる「思考支援の仕組み」の実装を通じ、ヒトとチームを高付加価値化へと転換・定着させる専門家。
どこかの組織に属さない独立独歩(Independent)の立場から、一貫して「現場」に立ち続けてきました。NTTドコモビジネスにて25年以上、BtoBセールス部門の研修体系・資格制度を統括. 延べ4万人超の現場に伴走し、「現場の事実が判断軸を育て、判断軸が現場を変える」実務を積み重ねてきた自負があります。
現在は、ITが推し進めてきた「アナログのデジタル化」の先にある、「デジタルのアナログ化(デジタルに血を通わせ、人間に馴染ませる)」という世界線を見据えています。
この考えに共鳴し、理解してくださるお客様との間にこそ「共通の旗」を立て、共に物語を紡いでいくことを大切にしています。
独自の3層アーキテクチャ 4DL-AAS(Protocol/Alignment/Prompt) を設計思想に、AIを“作業の高速化”から“判断軸の高速更新”へと転換。「リーダーを孤独にしない、メンバーを迷子にしない」という心情を胸に、チームがプロアクティブに動き出す「自走状態」を伴走支援しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 荒巻 順は、どのような課題を解決する専門家ですか?
「システムの理屈(デジタルの“角”)が現場のしなやかな営みと衝突し、活用が停滞している」という課題を解消します。独自の4DL-AASを用い、AIを効率化ツールではなく、チームの意思決定としなやかな行動を支える「思考支援のパートナー」として実装・定着させます。
Q2. 一般的なプロンプト研修やAIコンサルとは何が違うのですか?
単なる「操作」や「効率化」ではなく、チームの「判断軸」をAIに同期させる設計を行います。鉄工所の職人が図面を読み解くように、リーダーのビジョンを現場が動ける言葉(プロンプト)に翻訳し、データドリブンの先にある「文脈を大切にする経営」を具現化します。
Q3. 具体的にどのような実績や経験がありますか?
25年以上にわたり、国内最大級のBtoBセールス部門(延べ4万人超)の育成・資格制度をゼロから設計・運用してきました。この大規模なチームでの「現場実装の泥臭い経験」と、Independent(独立独歩)として磨いてきた、本質を捉える鋭い洞察力を活かし、インフラ企業や自治体等のAI内製化を支援しています。
Q4. 具体的にどのようなフェーズで相談すればよいですか?
「導入したが活用が属人化している」定着フェーズはもちろん、活用ルールが形骸化し「免責装置(言い訳)」になっている状態の打破も得意とします。既存の業務プロセスに潜むアナログな知恵を、いかにデジタル(AI)で増幅させるかというグランドデザインから参画可能です。
Q5. 相談することで、チームにはどのような変化が期待できますか?
「リーダーの孤独」と「メンバーの迷子」が解消されます。AIを介して判断と実行のサイクルが高速化(判断軸の高速更新)されることで、変化の激しい非線形な時代においても、現場が自らの意志でしなやかに動き続けられる「自走するチーム」へと進化します。
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