みなさん こんにちは。《聴くチカラ研究所》の4DL Technologies株式会社CCO 荒巻順です。ブログへのご訪問、ありがとうございます。
「もっと抽象度を上げて考えよう」
管理職研修や会議で、よく聞く言葉です。
確かに課長には、目の前の案件だけでなく、その背景にある構造や上位目的を見る力が必要です。
でも、マネジメントという仕事を考えると、抽象化できれば十分なのでしょうか。
私はむしろ、上がったあとに戻れるかの方が重要だと思っています。
例えば「A社から値下げ要求が来た」という具体的な出来事があります。
一段抽象化すると「重点顧客の収益性」という問題になる。
さらに上げると「自課の利益構造」、その先には「会社としてどこで利益を生むのか」というテーマが見えてきます。
ここで動いているのは、役職ではなく思考の粒度です。
現場の具体から、条件、構造、戦略、目的へとズームアウトしている。
これが抽象度を上げるということです。
課長が、
「もっと顧客価値を考えよう」
「経営的な視点を持とう」
とだけ言えば、部下は困ります。
何を確認し、何を変え、次に何をすればいいのかが分からないからです。
そこで必要になるのが逆方向の動きです。
「今回守るべき条件は粗利率なのか、取引継続なのか」
「価格以外に調整できる条件は何があるか」
「A社の値下げ要求の理由を三つに分けて確認しよう」
高い視座で見えた構造を、相手が考えられる問いまで具体化する。
ここで、《ANT-B0マネージャー編》のクレドがつながります。
「リーダーを、孤独にしない。メンバーを、迷子にしない。」
現場の具体から一度も離れられなければ、課長自身が上位目的との接続を失い、判断を一人で抱え込みやすくなります。
反対に、高い抽象度に居続ければ、「本質的には」「経営的には」という言葉だけが降りてきて、今度はメンバーが何をすればよいのか分からなくなります。
上がる。そして戻る。
この往復があるからこそ、課長は上位と現場をつなぐことができます。
AIは、この往復を助けることができます。
「この問題を一段抽象化してください」
「これは案件の問題か、条件の問題か、戦略の問題か」
ここまではズームアウトです。
そして、
「では、現場が明日確認できる問いに具体化してください」
と戻す。こちらはズームインです。
課長に必要なのは、単焦点レンズのように一つの距離だけを見る思考ではなく、状況に応じて焦点距離を変えられるズームレンズのような思考だと考えると分かりやすいかもしれません。
目の前の案件という近景から、チーム、部門、会社という遠景まで一度引いて見る。そして構造が見えたら、もう一度現場へ寄り、メンバーが考え動けるところにピントを合わせる。
こうした使い方をすると、AIは思考のズーム操作を支える相棒になります。
《ANT-B0マネージャー編》で考える「視座を上げる」は、高いところへ行くことそのものが目的ではありません。
ズームアウト → 構造を見る → ズームイン → 相手が動ける言葉にする。
課長の付加価値は、抽象度を上げられることではなく、焦点距離を自在に変えながら、抽象と具体を往復し、上位と現場をつなげられることにあるのではないでしょうか。
Microsoft 365 Copilotを導入した。次は、管理職の使い方を変える番です。
《ANT-B0マネージャー編》は、AI時代の「課長の付加価値」を考え直す実践ワークショップです。
マネジメント理論を学ぶための管理職研修でも、Microsoft 365 Copilotの操作方法を覚えるAI研修でもありません。
Copilotを思考支援の相棒として使いながら、見る位置を変え、自分の判断を問い直し、チームへ返す問いを変えていく。その過程を通じて、自分は課長としてチームにどんな付加価値を提供するのか。会社に対して、報酬の対価として何を生み出すのか。を考えるワークショップです。
変えるのは、Copilotに何を答えさせるかではなく、どう考えさせるかです。
荒巻 順|Jun Aramaki
4DL Technologies株式会社 CCO(AI Solution Design 担当コンサルタント)
東京・深川の鉄工所の三代目として、ものづくりの現場を原点に持つ。20歳で家業を承継し、図面、段取り、納期、品質、顧客対応と向き合う中で、「現場の事実から判断軸をつくる」感覚を身につけてきた。
その後、PCサポート業、モバイル業界の顧客接点支援、法人営業部門の人材育成・制度設計を経て、現在は4DL Technologies株式会社で、生成AIを活用した人材育成・組織変革・営業力強化の支援を担当している。
技術者ではない。ただし、技術を「現場で使える状態」に翻訳することを仕事にしてきた。
NTTドコモビジネス関連の法人営業領域では25年以上にわたり、BtoBセールス部門の研修体系、資格認定制度、教材設計、運用支援、効果測定に携わり、延べ40,000人を超える現場の育成支援に伴走してきた。
大企業の内側でキャリアを積んできたわけではない。
深川の鉄工所、中小企業経営、現場支援、法人営業人材育成を経て、組織の外側から日本を代表するエンタープライズ企業の現場と向き合い続けてきた。
組織の作法は、お客様に鍛えられて学んできた。一方で、組織の常識に染まりきったわけではない。
だからこそ、現場にある違和感や前提のズレに対して、「それは本当に正しいのか」「別のやり方はないのか」と問いを立てることを重視している。
エンタープライズ企業の担当者は、多くの場合、自社の問題認識や課題感をすでに持っている。一方で、その見立てが本当に正しいのか、別の捉え方はないのか、組織としてどこまで踏み出せるのかに迷っていることも少なくない。
そのため、商談や設計の場では、あえて反対側の視点や異なる仮説を提示し、発想の幅を広げることを重視している。重要なのは、奇抜な正解を押しつけることではない。組織が受け止められる範囲で視野を広げ、現実的に動ける着地点を共につくることである。
正しいことを言うだけでは、現場は動かない。
どれほど筋の通った設計でも、相手の組織文化や意思決定の作法に翻訳できなければ、定着しない。そのこともまた、現場に教わってきた。
組織とは、人を歯車にするためのものではない。目的・目標・役割・判断基準を揃え、一人ひとりが自分の使命を理解し、自律的に判断しながら全体として動くための構造である。
AI時代において、この組織観はさらに重要になる。
人が自分の使命を忘れ、判断を手放し、与えられた作業だけをこなす存在になった瞬間、その仕事はAIに置き換えられやすくなる。だからこそ、AI活用とは単なる効率化ではなく、人とチームが何を判断し、何を担い、何のために動くのかを問い直す営みである。
鉄工所では、設計図のない仕事は始められない。
AI時代の人材育成も同じである。どんな人材を育てたいのか。何を測るのか。どこにギャップがあるのか。それを定めないまま研修や施策を実施しても、現場は変わらない。
現在は、4DL Technologiesの「ANT-DXA(AI時代のDX人材アセスメント)」を通じて、企業が目指すDX人材像の定義、現状とのギャップ可視化、育成施策への接続を支援している。
また、4DL Technologies独自のLLM駆動アーキテクチャ「4DL-AAS」を設計思想に、Microsoft 365 Copilot、ChatGPT、Gemini、Claude、Dify、Copilot Studioなどの生成AIを、企業の方針・業務文脈・現場判断に接続する支援を行っている。
目指しているのは、AIを使える人を増やすことだけではない。
AIを介して、リーダーを孤独にせず、メンバーを迷子にせず、チームが自ら考え、判断し、動き続ける状態をつくることだ。
・AIを導入したが、現場での活用が広がらない。
・CopilotやChatGPTを入れたものの、使い方が属人化している。
・研修を実施しても、業務変革や組織変化につながっていない。
・DX人材育成を進めたいが、何を測ればよいかわからない。
そうした課題に対し、要件定義から設計、教材開発、運用、効果測定、改善提案まで、企業ごとの文脈に合わせたフルスクラッチ型の支援を行っている。
AIを「便利な道具」で終わらせず、ヒトとチームの判断力・創造力・実行力を高める仕組みに変える。
そのための設計と実装に、現場起点で伴走している。
■4DL Technologies株式会社にご相談いただけるテーマ■
・ANT-DXA(AI時代のDX人材アセスメント)の設計・運用
・AI時代に求められるDX人材像の定義と可視化
・Microsoft 365 Copilot / ChatGPT / Gemini / Claude などの生成AI活用・定着支援
・DX推進部門向けのAI活用人材育成・研修設計
・BtoBセールス部門のAI活用・営業力強化
・生成AIを活用した業務変革・チーム学習・判断支援の設計
・4DL-AASに基づくAIエージェント設計・プロンプト設計支援
・AI導入後の活用状況診断、定着施策、効果測定
「AIを導入したが、現場の変化が見えない」
「DX人材育成を進めたいが、何を測ればよいかわからない」
「研修や施策を始める前に、自社の現在地を可視化したい」
「Copilotや生成AIを、個人の便利ツールではなく組織の実行力につなげたい」
そう感じているDX推進部門・人材育成部門・営業企画部門の方は、ぜひ一度ご相談ください。