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9月 21, 2026
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1on1の質を上げるには|質問集より先に、課長の「見る位置」を変える《ANT-B0マネージャー編⑪》

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みなさん こんにちは。《聴くチカラ研究所》の4DL Technologies株式会社CCO 荒巻順です。ブログへのご訪問、ありがとうございます。

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部下との意思疎通を確実にして、ストレス環境をなくす、価値観を尊重したマネジメントのために、「1on1」を導入している企業は増えました。

「最近どう?」
「困っていることはある?」
「何か支援できる?」

こうした対話が職場に定着したこと自体には、大きな意味があります。

では次に問いたいのは、回数ではなく1on1の質です。

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1on1とは

1on1は、上司と部下が定期的に一対一で対話し、業務上の課題だけでなく、本人の考えや成長、仕事の進め方などを話すための場です。

評価面談のように上司が結論を伝えることが主目的ではなく、部下の話を聞きながら、本人が自分で考えられる状態をつくることに意味があります。

だからこそ、1on1では「何を聞くか」だけでなく、上司がどんな位置から相手を見て、どんな問いを返すかが対話の質を左右します。

 

良い質問集を持てば、対話は深くなるのか

1on1の質問例を検索すると、さまざまな問いが見つかります。

もちろん役に立ちます。

ただし、同じ質問をしても、課長自身が何を見ているかによって対話の深さは変わります。

部下が、

「A社対応が厳しくて、時間が足りません」

と言ったとします。

ここで「何が一番大変?」と聞くだけなら、話はA社案件の中に留まります。

一方で課長が、

「これはA社固有の問題なのか、それとも他の顧客でも起きる構造なのか」
「事実と、君がそう考えている前提を分けるとどうなる?」

と問いを立てれば、部下自身の考える範囲が変わります。

 

問いの質は、課長の「見る位置」で決まる

傾聴のスキルは重要です。

でも、何を聞くかを決めるのは、その前にある課長の視座です。

現場の具体を見る。少し上がって構造を見る。上位目的とのつながりを見る。

そして、その高い視座をそのまま部下へ投げるのではなく、部下が考えられる問いへ戻す

ここまでが1on1での課長の仕事です。

《ANT-B0マネージャー編》のクレドにある「メンバーを、迷子にしない。」は、まさにこの場面にもつながります。

課長だけが高い視座へ上がり、「もっと本質を考えて」「経営目線で考えて」と抽象論を返しても、部下が次に何を考えればよいか分からなければ迷子になります。

一度上がった課長が、相手の位置まで戻り、考えられる問いへ翻訳する。そこに1on1での「戻る力」があります。

 

「問いかけ」を「問い詰め」にしない

ここで実務上、もう一つ大切なことがあります。

問いの質を上げようとして、質問を重ねすぎると、1on1が“尋問”のようになることがあります。

「なぜ?」「本当に?」「それは事実?」を連続させれば、相手には「否定されている」「試されている」と聞こえるかもしれません。

1on1での問いは、上から目線で相手の誤りを見つけるためではなく、一緒に考える空間を広げるためのものです。

  • まず相手の話を最後まで聞く
  • 事実確認と評価を混ぜない
  • 問いを一度に重ねず、一つ返して待つ
  • 「私はこう見えているけれど、どう思う?」と自分の見方も開示する
  • 抽象的な問いを投げたら、最後は具体的な次の一歩まで一緒に戻る

良い問いとは、鋭い問いではなく、相手がもう一歩自分で考えられる問いなのだと思います。

 

AIは1on1の「質問を作る道具」ではない

AIへ「1on1の質問を10個出して」と頼めば、質問はいくらでも作れます。

それよりも、

「この部下の相談を、事実・条件・解釈に分けてください」
「私が見落としている上位目的を問いとして返してください」
「そのうえで、本人が考えられる粒度の問いにしてください」

と使う方が、課長自身の思考を深めることができます。

《ANT-B0マネージャー編》は1on1研修ではありません。

しかし、課長の視座が変われば、すでに身につけた1on1の技法そのものの質が変わります。

良い1on1は、良い質問集から生まれるのではない。課長が何を見ているかから生まれる。

そんな見方もできるのではないでしょうか。

 

《ANT-B0マネージャー編》について

Microsoft 365 Copilotを導入した。次は、管理職の使い方を変える番です。

《ANT-B0マネージャー編》は、AI時代の「課長の付加価値」を考え直す実践ワークショップです。

マネジメント理論を学ぶための管理職研修でも、Microsoft 365 Copilotの操作方法を覚えるAI研修でもありません。

Copilotを思考支援の相棒として使いながら、見る位置を変え、自分の判断を問い直し、チームへ返す問いを変えていく。その過程を通じて、自分は課長としてチームにどんな付加価値を提供するのか。会社に対して、報酬の対価として何を生み出すのか。を考えるワークショップです。

変えるのは、Copilotに何を答えさせるかではなく、どう考えさせるかです。

ANT-B0m《ANT-B0マネージャー編》について相談する

 

関連記事|《ANT-B0マネージャー編》5本シリーズ

 

筆者紹介

荒巻 順|Jun Aramaki

4DL Technologies株式会社 CCO(AI Solution Design 担当コンサルタント)


東京・深川の鉄工所の三代目として、ものづくりの現場を原点に持つ。20歳で家業を承継し、図面、段取り、納期、品質、顧客対応と向き合う中で、「現場の事実から判断軸をつくる」感覚を身につけてきた。

その後、PCサポート業、モバイル業界の顧客接点支援、法人営業部門の人材育成・制度設計を経て、現在は4DL Technologies株式会社で、生成AIを活用した人材育成・組織変革・営業力強化の支援を担当している。

技術者ではない。ただし、技術を「現場で使える状態」に翻訳することを仕事にしてきた。

NTTドコモビジネス関連の法人営業領域では25年以上にわたり、BtoBセールス部門の研修体系、資格認定制度、教材設計、運用支援、効果測定に携わり、延べ40,000人を超える現場の育成支援に伴走してきた。

大企業の内側でキャリアを積んできたわけではない。

深川の鉄工所、中小企業経営、現場支援、法人営業人材育成を経て、組織の外側から日本を代表するエンタープライズ企業の現場と向き合い続けてきた。

組織の作法は、お客様に鍛えられて学んできた。一方で、組織の常識に染まりきったわけではない。

だからこそ、現場にある違和感や前提のズレに対して、「それは本当に正しいのか」「別のやり方はないのか」と問いを立てることを重視している。

エンタープライズ企業の担当者は、多くの場合、自社の問題認識や課題感をすでに持っている。一方で、その見立てが本当に正しいのか、別の捉え方はないのか、組織としてどこまで踏み出せるのかに迷っていることも少なくない。

そのため、商談や設計の場では、あえて反対側の視点や異なる仮説を提示し、発想の幅を広げることを重視している。重要なのは、奇抜な正解を押しつけることではない。組織が受け止められる範囲で視野を広げ、現実的に動ける着地点を共につくることである。

正しいことを言うだけでは、現場は動かない。

どれほど筋の通った設計でも、相手の組織文化や意思決定の作法に翻訳できなければ、定着しない。そのこともまた、現場に教わってきた。

組織とは、人を歯車にするためのものではない。目的・目標・役割・判断基準を揃え、一人ひとりが自分の使命を理解し、自律的に判断しながら全体として動くための構造である。

AI時代において、この組織観はさらに重要になる。

人が自分の使命を忘れ、判断を手放し、与えられた作業だけをこなす存在になった瞬間、その仕事はAIに置き換えられやすくなる。だからこそ、AI活用とは単なる効率化ではなく、人とチームが何を判断し、何を担い、何のために動くのかを問い直す営みである。

鉄工所では、設計図のない仕事は始められない。

AI時代の人材育成も同じである。どんな人材を育てたいのか。何を測るのか。どこにギャップがあるのか。それを定めないまま研修や施策を実施しても、現場は変わらない。

現在は、4DL Technologiesの「ANT-DXA(AI時代のDX人材アセスメント)」を通じて、企業が目指すDX人材像の定義、現状とのギャップ可視化、育成施策への接続を支援している。

また、4DL Technologies独自のLLM駆動アーキテクチャ「4DL-AAS」を設計思想に、Microsoft 365 Copilot、ChatGPT、Gemini、Claude、Dify、Copilot Studioなどの生成AIを、企業の方針・業務文脈・現場判断に接続する支援を行っている。

目指しているのは、AIを使える人を増やすことだけではない。

AIを介して、リーダーを孤独にせず、メンバーを迷子にせず、チームが自ら考え、判断し、動き続ける状態をつくることだ。

・AIを導入したが、現場での活用が広がらない。
・CopilotやChatGPTを入れたものの、使い方が属人化している。
・研修を実施しても、業務変革や組織変化につながっていない。
・DX人材育成を進めたいが、何を測ればよいかわからない。

そうした課題に対し、要件定義から設計、教材開発、運用、効果測定、改善提案まで、企業ごとの文脈に合わせたフルスクラッチ型の支援を行っている。

AIを「便利な道具」で終わらせず、ヒトとチームの判断力・創造力・実行力を高める仕組みに変える。
そのための設計と実装に、現場起点で伴走している。

■4DL Technologies株式会社にご相談いただけるテーマ■
・ANT-DXA(AI時代のDX人材アセスメント)の設計・運用
・AI時代に求められるDX人材像の定義と可視化
・Microsoft 365 Copilot / ChatGPT / Gemini / Claude などの生成AI活用・定着支援
・DX推進部門向けのAI活用人材育成・研修設計
・BtoBセールス部門のAI活用・営業力強化
・生成AIを活用した業務変革・チーム学習・判断支援の設計
・4DL-AASに基づくAIエージェント設計・プロンプト設計支援
・AI導入後の活用状況診断、定着施策、効果測定

「AIを導入したが、現場の変化が見えない」
「DX人材育成を進めたいが、何を測ればよいかわからない」
「研修や施策を始める前に、自社の現在地を可視化したい」
「Copilotや生成AIを、個人の便利ツールではなく組織の実行力につなげたい」
そう感じているDX推進部門・人材育成部門・営業企画部門の方は、ぜひ一度ご相談ください。