BtoBセールスの現場では、お客様の真のニーズを理解し、信頼を得ることが重要です。とくに大規模な企業を担当する営業パーソンにとって、お客様がどのように感じているのか、言葉にならないサインを読み取る観察力は欠かせません。
今回は「観察の重要性」に焦点を当て、言葉に出ない本音や態度の変化から、お客様の期待や不安を察する方法について解説します。
みなさん、こんにちは《聴くチカラ研究所》の荒巻順です。ブログへのご訪問、ありがとうございます。
1.お客様の本音は言葉だけではなく、仕草や表情などにもでる
・言葉以外の「非言語コミュニケーション」を読む
・仕草や表情が示す「本音」を見逃さない
・察する力が次の商談への糸口になる
お客様の本音は、言葉だけでなく表情や仕草、態度にも現れます。
例えば、プレゼンの途中で腕組みをしたり、目線をそらしたりする仕草は、何かに不安や不満を感じているサインかもしれません。このような非言語のコミュニケーションは、直接的な言葉には出なくても、その人の内心を反映していることが多いです。
営業の場面では、お客様の言葉の裏にある感情や意図を汲み取ることで、次のアプローチを考えるための大切な材料となります。
たとえば、「価格が高いですね」といった表現があったとき、単に価格交渉を求めているのではなく、コストに見合う価値が感じられていない可能性もあります。
このような場合、提案内容の見直しや価値説明の工夫が必要となります。表情や態度からお客様の本音を察し、次の一手を考えることが、成功につながるポイントです。
2.商談中に重要なのは「お客様の発するシグナル」を正確に受診すること
・「シグナル」を見逃さない営業力を磨く
・微妙な表情の変化に敏感になる
・シグナルからお客様の心情を理解する
商談中にお客様が発する「シグナル」を見逃さないことは、信頼を得るための重要なスキルです。
例えば、商品の特徴を説明している最中にふと眉をひそめたり、視線が少し逸れたりする場面は、「今の説明で疑問を感じている」可能性を示唆しています。
こうした瞬間を見逃さず、適切なタイミングでフォローを入れることが、商談を円滑に進める鍵となります。
また、経営層やデジタル推進部門の担当者が「3年後に必要なデジタル環境を作りたい」と語るとき、その奥には「将来的な拡張性が求められている」という期待が込められていることもあります。
シグナルを受け取り、その意図を正確に理解することで、相手が安心して話せる環境を作ることができます。信頼を築くためにも、シグナルを受診し、お客様の期待や不安に共感する力を磨きましょう。
3.商談障壁となる兆候「不信」「不満」「不要」「不適」とは
・商談の行き詰まりを生む4つの兆候を理解する
・それぞれの兆候が示すお客様の心理を読み解く
・兆候を察知して迅速に対応する
商談の中で、お客様が発する言葉や態度の裏には、商談をスムーズに進めない「不信」「不満」「不要」「不適」という4つの兆候が隠れていることがあります。
これらの兆候を早期に察知し対応することで、商談の障壁を取り除くことができます。
不信
不信の兆候は、お客様が営業担当者や提案内容に信頼を持てないと感じているときに現れます。代表的なノンバーバルサインとしては、なかなか目を合わせない、体がこちらに向かない、腕組みをするなどがあります。例えば、「高いですね」と価格に対して疑問を示した場合、価格そのものよりも、価値に見合う内容かどうかを不安視していることもあります。こうした場合は、単に価格について説明するのではなく、提供価値や長期的なメリットを丁寧に伝えることが効果的です。
不満
不満の兆候は、すでにサービスや商品を導入した後で、期待していた効果が得られなかったり、満足度が低いときに見られます。お客様が不満を抱いているときは、無関心な態度、忙しそうにふるまう、他の会話に話題を逸らすなどのノンバーバルサインが表れることが多いです。「最近どうですか?」と質問しても特に具体的な反応が返ってこない場合は、不満の表れである可能性があるため、導入後のケアやフォローアップが求められます。
不要
不要の兆候は、お客様がその提案やサービスを現状で必要だと感じていないときに現れます。雑談が続き、なかなか商談の内容に入らない、重要な問題に関して興味を示さないなどが代表的なサインです。たとえば、「今は特に問題はない」と言われた場合、まだ必要性を感じていない可能性があるため、将来的なリスクや価値を分かりやすく伝え、必要性を理解してもらうことが大切です。
不適
不適の兆候は、お客様が提案内容や解決策が自身のニーズに合っていないと感じている場合に見られます。眉をひそめる、腕組みをして後ろに体を引く、他社の提案を持ち出して比較を促すなどのサインが挙げられます。この場合、「この解決策は本当に適切なのか?」という疑問を抱いている可能性が高いです。競合の提案を褒められたときには、改めて自社提案の差別化ポイントや付加価値を示し、お客様が感じている疑念を解消することが重要です。
4.「傾聴上手」は「観察上手」であることの重要性
・観察力を養い、相手の本音を引き出す
・傾聴と観察が信頼を築く鍵となる
・お客様の「言葉にならない」感情を察する力を磨く
「傾聴上手」な営業パーソンは、実は「観察上手」でもあります。お客様の言葉だけに反応するのではなく、その言葉が発せられる際の表情やトーン、姿勢なども合わせて観察することで、本音や感情を引き出すことができます。
商談の中で、お客様がどのような表情で話しているかを注意深く観察し、その感情の裏側にある意図を読み取ることができれば、より的確な提案やフォローが可能です。
特にBtoBセールスでは、お客様の業務や課題に寄り添い、長期的な関係を築くことが求められます。
そのためには、観察力と傾聴力を兼ね備え、お客様の発言の背景を深く理解することが重要です。観察を通じて感じ取った微妙なサインをもとに、次の商談でより一層信頼を得るアプローチを心がけましょう。
5.まとめ
・お客様の非言語サインを見逃さない
・商談障壁となる兆候を察知し、柔軟に対応する
・観察力と傾聴力で信頼を築く
お客様の言葉だけでなく、態度や表情に込められたシグナルを敏感に受け取り、商談の流れをスムーズにすることが、BtoBセールスでは求められます。
観察力を養うことで、お客様の本音や期待に応える準備が整い、信頼を築く一歩が踏み出せるのです。
この観察の重要性を意識しながら日々の商談に臨むことで、相手のニーズに寄り添う柔軟な営業スタイルを確立しましょう。
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