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5月 18, 2025
4 min read time

BtoBセールス:商談こそ最高の学習素材──生成AIが拓くNTTドコモビジネスのBtoBセールス教育の“次の10年”《ChatGPT/Gemini/Copilot対応》

生成AIが 拓く 営業教育の “次の10年”

 

「この提案、もう少し顧客目線で深掘りできないか?」──そんな声が会議室に響くたび、私は営業教育に20年以上携わってきた者として、いま大きな変革の必要性を痛感しています。

かつては「型」を教え込むことが主流だった営業教育は、もはやその限界に直面しています。

これからは、商談現場そのものを"学びの教室"に変革し、生成AIを最大限に活用しながら、学習と実務がシームレスに連携するハイブリッドなアプローチへと移行すべき時です。

本記事は、営業教育に携わるすべての方に向けた、新しい営業スキルの再定義と、デジタルテクノロジーがもたらす業績直結型の学習体験についてお伝えします。

単なるスキルアップや資格取得に留まらず、現場で実際に成果を出し、それを通じて営業パーソンのマインドセットそのものを変革すること。これこそが、これからの営業教育が目指すべき真の目的です。

みなさん こんにちは《聴くチカラ研究所》の4DL荒巻順です。ブログへのご訪問、ありがとうございます。


1.営業教育は「型」から始まった


  • かつて営業の「型」は組織的な営業力向上に貢献しました。
  • 再現性があり、一定の成果を出す強みがありました。
  • しかし、現代の変化に対応しきれない限界に直面しています。

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営業教育の黎明期において、「型」を定着させることは、組織全体の営業力底上げに不可欠な戦略でした。

私自身、かつてNTTコミュニケーションズ(2025年7月1日からNTTドコモビジネス)で、代理店法人営業の三資格制度”法人スペシャリスト/法人グランマイスター/法人マイスター”の企画設計運営に携わり、仮想顧客を用いたロールプレイングを重ねることで、全国の代理店法人営業担当者に共通のBtoBセールスの「型」を浸透させました。

これは、当時の営業教育における最適解であり、その効果も実証されてきました。この「商談の型」には、再現性があり、誰が実践しても一定の成果を出すことができるという大きな強みがありました。

そのため、教育効果が可視化しやすく、研修担当者にとっても管理が容易でした。まさに、市場に「正解のある営業」が存在し、それを効率的に習得させるためのソリューションだったのです。

基礎的な知識やコミュニケーションスキル、提案のフレームワークを学ぶ上で、「型」は確かに強力な土台を築きました。

しかし、時代が移り変わり、顧客ニーズが多様化し、情報が氾濫する現代において、この”型”だけでは対応しきれない場面が増え、やがてその限界を迎えることになります。


2.営業の現場は、すでに変わっている


  • 顧客の変化と情報の増加で「型」が通用しなくなりました。
  • 若手は実践経験が不足し、応用力が求められています。
  • 現場では「対応力」から「構想力」へのシフトが不可欠です。

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今日の営業現場は、かつてないほどのスピードで変化し続けています。顧客は豊富な情報を持っており、もはや提案書を出すだけで商談が成立するような単純な時代ではありません。

意思決定プロセスは複雑化し、複数のステークホルダーが絡み合う中で、単一の「型」や定型的なヒアリングやトークのスクリプトでは通用しない場面が頻発しています。

特に、若手営業パーソンが直面する課題は深刻です。彼らは、複雑化した現代の商談で“経験知”を得るスピード感に圧倒的な非効率さを感じているはずです。

仮想顧客とのロールプレイだけでは、今の複雑化した現場の生きた状況に遭遇した際にフリーズしてしまうことが少なくありません。

また、上司も多忙を極め、一人ひとりに付きっきりで指導することが困難な状況です。

結果として、いくら従来型の研修で「型」を学んでいても、現場で応用が利かず、実践的なスキルが身につかないという悪循環に陥りがちです。

つまり、現代の営業現場で真に求められているのは、与えられた情報に「対応」する能力ではなく、顧客の潜在的な課題を見抜き、複雑な状況の中から最適な解決策を「構想」し、実行していく、より高度な戦略的思考力なのです。


3.生成AIが拓く、新しい学習と実務のハイブリッド


  • 対面研修の価値を認めつつ、AI活用によるハイブリッドモデルへ移行します。
  • 生成AIが商談の準備・振り返りを支援し、日常業務が学習になります。
  • 実案件ベースの学習で、実務と学習がシームレスに連携します。

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このような背景から、私たちは「対面研修の持つ価値」を認めつつも、その限界を補い、真に実践的な学習を可能にする新しいアプローチとして、生成AIを核とした学習と実務のハイブリッドモデルへの移行を強く提唱します。

対面研修が持つ、グループワークによる相乗効果、講師との直接的な質疑応答、人間関係構築といった側面は確かに重要であり、これからも活用されるべきです。

私もアナログな対面研修を四半世紀にわたって展開していた物として、アナログな研修がもたらす状況の魅力や価値は充分にりかいしています。講師のカリスマのチカラは、これからも重要な価値として生き残ると思います。

しかし、日常の商談の中で個々の営業パーソンが直面する具体的な課題解決や、継続的なスキル向上に関しては、生成AIが圧倒的な力を発揮すると渡した確信にいたっています。

そこで私たち4DL Technologies株式会社が開発したのが「ANC(AI Native Consulting Sales)」です。

ANCは、従来の「型」中心の営業教育から、現場での実践を通じて学習が加速する「現場との再帰回生型」の仕組みへと、NTTドコモビジネス(NTTコミュニケーションズ)のBtoBセールス部門の営業トレーニングそのものを再設計を目指しています。

ANCでは、営業担当者は顧客訪問前に、生成AIと共にセキュアに顧客情報を深く掘り下げ、仮説を構築し、パーソナライズされた提案戦略をAIと対話しながら立案します。

訪問前に、自分で立案した仮説に対しての検証スクリプトのロールプレイングを生成AIにお客様を演じてもらい、実務的に再現のできる応答の生成が実現しています。

また、ヒアリング部分だけではなく、商材データをセキュアに学習させることで、業務課題の沿ったリアルな提案につながる商材選択と、その提案スクリプトも生成します。

そして、クロージングの肝である「費用対効果」を算出するためのロジックも組み込まれ、そのロジックから生み出されるクロージングトーク(多くのBtoBセールスの苦手な部分)の生成とロールプレイングが可能になっています。

そして訪問後には商談の振り返りをANCと行う事で、次の具体的なアクションプランをアドバイスも可能です。このプロセスを繰り返すことで、日常の商談そのものが「学習プロトコル」となり、実務と学習が完全に一体化します。

ANCは、PCを通じて行う学習環境ではありますが、単なるLMS型のeラーニングとは一線を画します。

それは、「実案件×顧客文脈」を前提とした、まさに商談=学習空間の再構築に他なりません。対面研修で培った基礎やマインドセットを土台としつつ、AIが現場での具体的な課題解決とスキル定着を強力に支援する。

これこそが、これからの営業教育が目指すべき、効率的かつ効果的な新しい学習と実務のハイブリッドアプローチです。


4.営業教育の真の目的:成果とマインドチェンジ


  • 研修の目的はスキルアップではなく、実務に直結した成果の獲得です。
  • AIによる再帰的学習で、現場の経験から継続的に学びます。
  • 業績向上を通じ、デジタル技術で営業パーソンのマインドを革新します。

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営業研修の真の目的は、単なる知識の詰め込みや資格の取得、あるいは表面的なスキルアップに留まるべきではありません。

私たちが目指すのは、実務に直結した明確な成果の獲得です。成果とは「リードの獲得」であり「商談のエスカレーション」であり、そして「契約の内定と締結」に他なりません。

営業教育は、最終的に企業の業績向上に貢献し、その成果を通じて営業パーソン自身の意識、つまりマインドセットを変革させるための強力な触媒となるべきなのです。

この新しい教育モデルでは、営業パーソンは現場で起きた具体的な商談内容を最高の教材として活用します。生成AIは、商談のログや結果を分析し、どこに改善の余地があったのか、次にどうアプローチすべきかを具体的に示唆します。

これにより、営業パーソンは自身の経験を客観的に「再帰的」に学習し、日々の業務を通じて継続的にスキルアップしていくことが可能になります。これは、理論と実践が分断されていた従来の教育ではなしえなかったことです。

そして、この学習サイクルが、実際に業績の獲得へと繋がっていくことで、営業パーソンには大きな自信と成功体験が積み重なります。

この成功体験こそが、彼らのマインドセットを劇的に変えるのです。そして、顧客利益と自社利益の最大化をバランスとともに作り上げることのできる本質的なコンサルティングセールス人材に変容をもたらします。

受動的な学習から、自ら課題を発見し、AIと共に解決策を構想し、実行する能動的な姿勢へとシフトします。

デジタルテクノロジーを駆使して、成果を出し続けることで、営業パーソンは「やればできる」という確固たる信念を育み、さらに高い目標に挑戦する意欲を持つようになります。

営業教育は、単なるコストではなく、企業の成長を牽引する「業績創出」のための戦略的な投資へとその価値を変貌させるのです。


5.まとめ

NTTドコモビジネス(NTTコミュニケーションズ)のBtoBセールス部門で人材育成やマネジメントに携わる皆様、今日の営業現場は、かつてないほどの変化に直面しており、従来の「型」中心の営業教育だけでは、もはや対応しきれないという課題に直面されていることと存じます。

顧客ニーズの複雑化、情報過多の時代において、単なる「型の精度」を超え、目の前の状況を的確に捉え、最適な解決策を自ら「構想」し、実行に移す能力が、貴社の営業パーソンに喫緊で求められているのではないでしょうか。

私たちは、商談そのものを学びの場へと変革する生成AIを活用したANCで実現する「現場の再帰回生型」の学習こそが、貴社のBtoBセールスパーソンに必要な洞察力、構想力、そして継続的な改善を促す再帰的思考を養う最高の環境であると確信しています。

生成AIが提供するパーソナライズされたフィードバックと実践的な学習機会を通じて、営業パーソン一人ひとりが自身の強みを伸ばし、弱点を克服しながら、常に市場の変化に対応し、進化し続けることを可能にします。

これからの貴社の営業パーソンに必要なのは、生成AIを使いこなし、お客様の文脈から真の課題を抽出し、共にゴールを描ける“新しい時代に相応しい付加価値のコンサルティングセールス”の実行者です。

営業教育は、単なるスキル提供の場ではなく、明確な業績貢献と、それを土台とした個人のマインドチェンジを実現する戦略的な投資であるべきです。

《聴くチカラ研究所》の筆者荒巻順は、NTTドコモビジネス様(旧NTTコミュニケーションズ様)のBtoBセールスを、i-modeが始まる前から、その進化の道のりを長きにわたり共に歩んでまいりました。

貴社の営業現場が持つ独自の課題や強みを深く理解し、培ってきたそのノウハウが、今、生成AIを活用したANCという形で結実しています。

この進化した知見が、貴社の次なる営業組織の飛躍に貢献できると信じております。ぜひ、このノウハウの進化を、新体制のNTTドコモビジネスの人材育成に活かして頂く事を目指しています。

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