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6月 28, 2025
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生成AIをGoogle検索の延長で使う現場~DX推進部門のマネージャーとしての苦悩~

DX推進 マネージャーへ  ”生成AIを Google検索の 延長で使う現場”

タイトルにピンときた方へ! 7月10日(水)12:00から無料オンラインセミナーを開催します。

現場を自走させる、生成AI“付加価値変革”セミナー ― 作業の代替で終わらせない。次の一手は、DX推進部門から。

お時間ある方は、ぜひ最後までお読みいただき、ご参加ください。この記事の続きとして、“モヤモヤの正体”をもっと深掘りしていきます。

「うちの社員も生成AI、ちゃんと使ってますよ」その“安心”は、幻想かもしれない。

資料作成は速くなった。リサーチも瞬時に終わる。しかし、そこから先、何かが変わっただろうか?

「AIが便利で助かる」という現場の声の裏で、あなたの胸に微かな“モヤモヤ”が生まれていませんか。その正体は、実は思考停止という静かな危機かもしれません。

みなさん こんにちは。《聴くチカラ研究所》の4DL、CCO荒巻順です。ブログへのご訪問、ありがとうございます。

目次



1.なぜ今、生成AIが“止まって”いるように感じるのか?


  • AIの使い道が「便利な検索」で止まっている
  • 資料作成は速いが、思考の深さは変わらない
  • 「導入しただけ」で満足してしまっていませんか?

 

鳴り物入りで導入した生成AI。導入初期、現場からは「便利っすね!」「検索より断然速い!」と歓声が上がったことでしょう。議事録の要約、メールの文面作成、競合サービスのリサーチ…。

確かに、これまで数時間かかっていた作業が数分で片付く。DX推進担当として、まずは一安心、といったところでしょうか。

しかし、3ヶ月も経つと、ふと気づくのです。「あれ、最近うちのチーム、何かを“深く考える場面”が減っていないか?」と。

AIが出した選択肢を眺めながら、「C案あたりが無難ですかね…」と顔を見合わせるだけの会議。誰も、自分の言葉で「これがベストだ」と語らない。

効率化はされた。時間は生まれた。

でも、その生まれた時間で、僕たちは新しい価値を生み出せているのだろうか?上層部からは「AI活用の成果は?」と期待のこもった視線が注がれる。

それに対して「作業時間が短縮されました」以上の何を報告できるだろう。

あなたの胸をよぎる「“業務改善”止まりじゃないか?」という焦り。それこそが、生成AI時代の第一関門に立った、真っ当なマネージャーの感覚なのです。


2.AIは考えてくれない。「問い」を持たない人間も、もう考えない


  • AIに「問い」がなければ、ただの道具箱だ
  • 「AIが出した案」に、選択の責任は生まれない
  • 思考停止は、静かに組織の「自律」を奪う

 

ある日の定例会議、若手社員が自信ありげにAIが生成した企画案を画面に映し出しました。

体裁は整っているし、それらしい言葉も並んでいる。あなたは、ごく自然なマネージャーとしての問いを投げかけます。

「なるほど。で、どうして君は、この案が良いと思ったの?」

その瞬間、会議室の空気が凍りついたことに、あなたは気づいたでしょうか。

若手は一瞬、目を泳がせた後、こう答えました。「…いえ、AIが出してきた選択肢の中で、一番もっともらしかったので…」

背筋に、冷たいものが走りませんでしたか?

悪気は誰にもない。しかし、そこには“自分で考え、決断した”という当事者性が、カケラも存在していなかったのです。

AIの答えにただ「乗っかる」だけ。

その選択に対する責任は、フワフワと宙に浮いている。こんな状態で、本当に価値ある判断を部下に委ねられるだろうか。

思考がAIに“吸い取られる”感覚。このままでは組織が「自律」を失い、指示待ちの集団になってしまう。

その本能的な危機感、決して気のせいではありません。


3.“問い”の設計ができなければ、AIは単なる自動販売機になる


  • 私たちは「答え」ではなく「問い」を設計すべき
  • 「問いの履歴」がないと、誰にも説明責任が果たせない
  • AIは万能ではなく、あなたの思考を映す鏡である

 

次のステージは、経営層への報告場面です。AIを活用して練り上げた新規事業の稟議書。しかし、役員から飛んできた鋭い質問に、あなたは言葉を詰まらせます。

「この事業案、面白い。だが、なぜこの結論に至ったのか、思考のプロセスを説明してくれ」

手元には、AIとのやり取りのログ(プロンプト履歴)はあります。

しかし、「なぜ、そもそもその問いを立てたのか?」「なぜ、AIが出した別の選択肢ではなく、それを選んだのか?」と深掘りされた瞬間、あなたは自分の言葉で語れなくなってしまう。

AIのログは、思考の“結果”ではあっても、“プロセス”そのものではないからです。

「AIがそう提案したので」では、小学生の言い訳と変わりません。

結局、AIは高性能な“自動販売機”のようなもの。100円を入れればジュースが出てくるように、プロンプトを入れれば答えが出てくる。

しかし、自販機の前で「どのジュースが今の自分に最適か」を考え抜かなければ、ただ喉が渇いているという事実以上の解決にはならないのと同じです。

AIという鏡に何を映し出すか、すなわち「問いの設計」ができなければ、私たちは“説明できない決定”を量産するだけの装置になってしまうのです。


4.思考のOSを再起動せよ


  • 思考の「なぜ?」を、深く、しつこく掘り下げる
  • 「問い」を立て、深め、進化させ、また問う
  • 思考のプロセスそのものを、チームの資産に変える

 

では、私たちはどうすればいいのか。答えは、AIの使い方を“Google検索の延長線上”から脱却させ、自分自身の「思考のOS」を再起動することです。

それは、単発の優れたプロンプトを追い求めることではありません。

まず、「そもそも、この課題の本質は何だっけ?」という根源的な問いを立てる。

AIの答えに対し、「なぜそう言えるの?」「他にどんな可能性がある?」と対話を重ねる。

さらに、「もし、自分たちが顧客の立場だったら、この提案をどう感じるだろう?」と視座を変えて問いを投げかける。

この一連の「問いを立て、深め、進化させる」プロセスこそが、AI時代に人間が担うべき本質的な役割です。

重要なのは、この思考の“流れ”をすべて記録し、チームの共有財産にすること。

なぜその問いから始め、どう対話を深め、どの判断軸で結論に至ったのか。その「思考の航海日誌」こそが、AIには生成できない、あなたのチームだけの競争力の源泉となります。

それは、単なる決定ではなく、「意思決定」の質そのものを高め、組織の知的資産を築き上げる、極めて創造的な行為なのです。


5.まとめ:Google検索の延長では、DXは進まない

 

「AIが出した答え」を右から左へ流すだけの仕事に、未来はありません。本当に価値があるのは、AIが答えを出したくなるような、本質的な「問い」を立てるあなたの思考そのものです。


  • AIの出力を鵜呑みにしない。常に「なぜ?」と問う癖をつける。
  • これからの必須スキルは「問いの設計能力」だと心得る。
  • 思考のプロセスを記録し、説明責任とチームの知的資産を両立させる。

AIの出力を鵜呑みにしない。

常に「なぜ?」と問い直す癖をつける。

その思考のプロセスを記録し、説明責任と知的資産の両立を図る。

これからのDX推進に本当に必要なのは、“使いこなす”スキルではなく、“問い直せる”組織文化です。

AIの登場は、私たちにこう問いかけています。「あなたは、考える力を手放しますか?」

単なる便利な道具として、思考をショートカットするか。それとも、自らの思考を深める最強の壁打ち相手として活用するか。

今、あなたが抱えているその微かなモヤモヤ。それは、**思考停止に抗う“変革のセンサー”**です。

どうか、それを見過ごさないでください。

今こそ、一歩を踏み出すときです。「AIに問いを立てるって、結局どうすればいいの?」そう思った方こそ、すでに危機に気づいている側です。

AI活用の“その先”へ進むための地図——あなたの問いを設計し、思考を引き出す「設計図」を体感できる機会をご用意しました。

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