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11月 23, 2025
7 min read time

Copilotが便利止まりで終わる本当の理由 ──AIはPassive、人間のActive不足が“定着の壁”を生む

聴くチカラ研究所ビジュアルのコピー (40)

使い方の研修はやった。

でもログが伸びない。なぜか定着感がない。原因がモヤッとしている“静かな危機”

Copilotのアカウントは全社員に配布した。

プロンプト研修も実施した。活用事例集もイントラに上げた。

それなのに、数ヶ月後の利用ログは横ばい。「忙しいから後回し」「結局どこで使えばいいか分からない」──現場から返ってくるのは、そんな静かな拒絶です。

みなさん こんにちは《聴くチカラ研究所》の4DL Technologies株式会社CCO荒巻順です。ブログへのご訪問、ありがとうございます。

makeAIworkforyou

 

その状態で年度末を迎えようとしているDX推進担当者は、経営層から冷酷な問いを突きつけられることになります。

「で、現場の生産性は何が変わったの? ROIは?」

もし今、あなたがこの問いに冷や汗をかいているなら、安心して聞いてください。

ログが伸びないのは、研修不足でも、あなたの努力不足でもありません。

もっと根っこにある、「AIと人間の、致命的な噛み合わせ不全」が原因です。



1. Copilotはなぜ定着しないのか:AIの本質はPassive(受け身)にある

 

まず、私たちが相手にしている「Copilot(生成AI)」の正体を再定義しましょう。

AIは「副操縦士」という名前ですが、現時点での本質は徹底してPassive(受け身)です。

AIは、人間が問い(プロンプト)を投げない限り、1ミリも動きません。どれほど高性能なLLMを積んでいても、自ら気を利かせて「部長、そろそろ会議資料を作りましょうか?」とは言いません。

「人間が止まれば、AIも止まる」

これがCopilotの絶対的なルールです。

つまり、定着しない最大の理由は、ツールの性能ではなく、「起動スイッチを押すべき人間側が止まっていること」にあります。

 

2. DX推進が見落とす「現場のActive(能動性)不足」という構造

 

AIがPassiveである以上、それを動かす人間側にはActive(能動性)が不可欠です。しかし、日本の多くの現場において、このActiveこそが最も枯渇しています。

これは現場の怠慢ではありません。構造的な「症状」です。

 

  • 多忙による思考停止: 目の前の業務処理に追われ、新しい問いを立てる余白(Margin)がない。
  • 正解主義の弊害: 「問いを立てる」訓練より、「正解を早く出す」訓練を受けてきた。
  • 失敗への恐れ: 変な出力が出たらどうしよう、という無意識のブレーキ。

 

DX推進部門が「便利なツールさえ渡せば使うはずだ」と考える一方で、現場は「解決したい問いそのものが思い浮かばない」というActive不足に陥っています。

 

【ここまでの要点:定着を阻む構造】

  • AI側: Passive(受け身)。指示がなければ動かない。
  • 人間側: Active(能動性)不足。問いが立てられない。
  • 結果: お互いに待ちぼうけの状態になり、利用ログは沈黙する。

 

3. 便利止まりの正体=「湿った薪」に火をつけようとしている

 

この状況を「焚き火」に例えてみましょう。

  • Copilot = 「薪(燃料)」 です。
  • 研修 = 「薪の組み方」 を教えることです。
  • 人間のActive = 「火種」 です。

いくら高級な薪(Copilot)を大量に用意し、美しい組み方(プロンプト)を研修で教えても、肝心の「火種(Active)」がなければ、火はつきません。

今のDX推進の現場で起きているのは、「湿って火がつかない薪(Active不足の現場)に向かって、さらに薪を積み上げている状態」です。

「使い方研修」を何度繰り返しても定着しない理由はここにあります。火種がない場所に、燃料だけを投下し続けているからです。

 

4. 「忙しくてActiveになれない」を前提に定着を設計する

 

「Activeが必要と言われても、現場は忙しすぎて無理だ」

そう思われたかもしれません。その通りです。だからこそ、「Activeが弱い状態でも火がつく設計」が必要なのです。

ここで、AIの特性を逆手に取ります。

人間側から立派な指示が出せなくても、AIからの「問い返し」があれば、強制的に思考は動き出します。

  • (人間) 「売上を上げたいんだけど…(曖昧)」
  • (AI) 「既存顧客の単価アップですか? 新規開拓ですか? どちらの優先度が高いですか?」
  • (人間) 「ああ、今は新規だ。特に若年層の…」

このように、AIからの問いかけに反応することで、人間の中に眠っていたActive(思考)が引き出されます。AIを「答えを出す機械」ではなく、「思考に点火する着火剤」として使うのです。

 

5. ANT-B0:人間のActiveを起動する「共通体験」の実利

 

私たち聴くチカラ研究所が提供する「ANT-B0」プログラムは、まさにこの「点火」を組織的に行うための装置です。

ANT-B0は、単なる体験会ではありません。DX推進担当者にとって、以下の3つの明確な「実利」をもたらします。

  1. 「Active初期値」の均一化:
    参加者全員が「AIに問い返されて思考が動く」という原体験を共有します。これにより、その後の操作研修の吸収率が劇的に向上します。

  2. 投資の無駄撃ちを回避:
    「火種」がない状態で高度なツール(B1/B2など)を入れても失敗します。まずB0で点火することで、その後のDX投資の成功率を高めます。

  3. 社内説得のエビデンス獲得:
    「現場が変わった」という定性的な変化だけでなく、参加者の熱量や発言の変化という、稟議を通すための具体的な材料が手に入ります。

6. まとめ:Copilot定着は「人間のActive回復競争」である

 

Copilot定着の勝負は、機能の差ではなく、「人間側のActiveをいかに回復・点火させるか」で決まります。

「使い方」を教える前に、まずは「AIと一緒に考える感覚」をインストールする。その順序を守れた組織だけが、AI時代を勝ち残れます。

まずは「AIにActiveマインドを助けて貰う」所から始めませんか?

「うちの現場はどこでActive不足が起きているのか?」
「研修の前に、何から手をつけるべきか?」

生成AIにはしっかりとした指示文を最初から入れないとダメだと思っていませんか?はじめから自分のアタマのかなが整理されていないとAIが正しく動かないと勘違いしていませんか?

確かに、ゴミみたいなプロンプトからはゴミしか出ないのも事実です。ゴミが言い過ぎなら「ありきたりな回答」という言い方でもいいでしょう。

そんな思い込みが、あなたの本来持っているActiveさにブレーキをかけているとしたらもったいない話ですね。4DL Technologies株式会社の《ANT-B0》は、ホンの一言(ゼロ)から初めて、発想を広げて整理して分類して、可視化(メタ認知)して、そしてビジネスストーリーに引き上げるAIエージェントです。

そのゼロから起こすという【人間のActiveを動かすエッセンスを無料で体験】できる仕組みがあります。ChatGPTの無料アカウントからスマホでも体験できます。ぜひお申し込みをお待ちしています。

4DL-IE

 

記事執筆者

荒巻 順|4DL Technologies株式会社 CCO(AIソリューションデザイン統括)

CCO

NTTドコモビジネス(旧NTTコミュニケーションズ)様にて、i-modeが開始される以前から25年以上にわたりBtoBセールス部門の人材育成(研修・試験)の企画設計を責任者として担当。また地元千葉で12年間、創業支援研修やセミナーなどを受託。

専門は、独自のプロンプト設計手法(ODGC/4DL_AAS)を用い、AIを「思考支援」ソリューションへと進化させる「生成AI導入・定着コンサルティング」です。

 

よくある質問(FAQ)

Q1. 荒巻 順は、どのような課題を解決する専門家ですか?

「生成AIを導入したが、現場で活用されず成果が出ない」という課題の解決が専門です。独自のフレームワーク(4DL_AAS)を用い、AIを単なる効率化ツールではなく、組織の「思考支援パートナー」として定着させ、意思決定の質を高めるコンサルティングを行います。

 

Q2. 具体的には、どのような経験がありますか?

NTTドコモビジネス様で25年以上にわたりBtoBセールス部門の研修・試験設計を、千葉市産業振興財団様で12年間、創業支援研修の企画運営を責任者として担当しました。この経験を基に、通信・鉄道・自治体など、様々な組織へのAI導入・定着支援を主にトレーニングという側面から行っています。

 

Q3. 生成AIの導入・定着について相談すると、何が得られますか?

貴社の業務プロセスにAIを組み込み、AI活用による「業務の高付加価値化」が現場で自走する状態を目指します。たんなるプロンプト研修では無く、主要なAIプラットフォームに対応した独自のプロンプト設計手法(4DL_AAS)を用いた実務的な組織的LLM動作設計から、定着・内製化までを一貫して支援することで、付加価値を生み出し続ける強い組織を構築します。