こうした『リスキリングの空回り』に頭を抱える経営者や人事・事業責任者は、少なくありません。
みなさん こんにちは《聴くチカラ研究所》の4DL Technologies株式会社CCO荒巻順です。ブログへのご訪問、ありがとうございます。
たとえばDX推進において、研修の受講完了率は高いのに現場からDX推進の成果がなかなか生まれないといった事象。
これは現場の怠慢ではなく、戦略を「個人の役割と評価」に繋ぐための測定の仕組みが、戦略の設計より後回しにされてきたという、構造的な問題なのです。
4DLが開発するアセスメントエンジン「ANT-DXA」は、もともとAI時代の到来を見据え、急速に変化するDX人材の資質を正しく測定するために誕生しました。
多様な事業ドメインと複雑な階層構造を併せ持つ、国内有数のエンタープライズ組織の現場でパイロット運用を重ね、厳しい評価をいただきながら磨き上げられてきたこのエンジンは、開発過程で一つの大きな事実に到達しました。
「経営が描く未来と同じ方向を向いていますか?」
私たちが測るべきは、単なるITスキルではありません。
経営ビジョンを遂行するために、現場の一人ひとりがどう考え、どう動くべきかという「独自の正解」を定義すること。
DXはあくまで最初の一歩に過ぎません。この記事では、あらゆる職種の組織育成・変革に応用可能な「ANT-DXA」の設計プロセスを公開します。
目次
育成を通じた組織変革が研修などでうまくいかない組織には、ほぼ共通した構図があります。
あらゆる育成施策の成果(目指すべき人材像)は、「前提条件(現時点のスキル・マインドなど)」×「施策内容(研修・ツール・手法など)」で決まります。
ところが多くの企業が、施策内容の選定にはエネルギーを注ぐ一方で、肝心の前提条件、つまり「戦略を遂行するために、誰が、今どこにいるのか」の把握を曖昧なまま進めています。
その結果、現場では「戦略はわかるが、自分のチームが今日から何をすべきか不明確だ」という声が上がり、新しいコンセプトを導入しても、既存の評価指標(KPI)に縛られ、行動が変わらないという悪循環に陥ります。
人事・事業戦略が期待する「理想像」と、現場の「実態」のギャップが可視化されていない。
現場の能力不足だけを問題にしても、施策は空回りします。
経営の意図を現場の「共通言語(評価指標)」に変換し、現状を正確に測っていない限り、どれだけ優れたプログラムを導入しても、打ち上げ花火で終わります。その結果、経営会議では研修効果への疑問の声が上がり予算申請への厳しい反応が返ってくる・・・
4DL Technologies株式会社では、お客様からお声がけ頂いた際に最初に行うのは育成プログラムの提案ではありません。
人事や事業、そしてDX推進の責任者に対してまず聞くのは、こういうことです。
「事業戦略として、何を実現しようとしていますか。5年後、10年後、この組織はどこに向かっていますか」
コンテンツの話は、しばらく後回しにします。
設計は、常に経営の意図・戦略、そして所管部門の様々な想いや制約の可視化から始まる。これがANT-DXAの根本的なスタンスです。
特に大規模な組織においては、部門ごとに求められる「理想の役割」が異なります。
たとえば同じ組織内であっても、安定したインフラ保守を担う部門と、未知の市場を開拓する部門では、必要なマインドセットも行動様式も変わってくる。
全社一律では測りきれない自社固有の文脈を、私たちはANT-DXA導入の際には経営戦略から逆算してお客様と対話をして行きます。
私たちは以下の5ステップを通じて、戦略を評価軸へと翻訳します。
Step 1|経営の意図・戦略目標を把握する
「どの領域で・どのような変革を・いつまでに実現するか」という具体性を経営陣から引き出します。
Step 2|既存の人事体系・現状データを受け取る
「経営ビジョン」と「現場の仕組み」を突き合わせ、設計の土台を整えます。
Step 3|ANT-DXA engineで分析し、ディメンションを設計する
汎用的なスキルマップではなく、企業の経営方針・中期経営計画に含まれるキーワードをAIで解析し、独自の評価軸(ディメンション)を構築します。
これにより、「全社員の平均点」ではなく「自社戦略とのギャップ」が浮き彫りになります。
例えば、元々のANT-DXAの活用対象であるDX人材の場合。
私たちは経済産業省が提唱する「デジタルスキル標準(DSS)」を否定するわけではありません。むしろ、共通言語としてのDSSは積極的にリファレンスとして活用します。
しかし、DSSはあくまで「標準」であり、各社の「戦略」ではありません。
ANT-DXAは、その企業の「経営方針書」「中期経営計画」「DXビジョン」に含まれる固有のキーワードをAIで解析します。標準的なスキルフレームワークを土台にしつつ、その上に「その組織が本当に測るべき評価軸(独自ディメンション)」をマッピングしていくのです。
市販のアセスメントで「全社員のDXスキル偏差値」は測れても、「自社の経営ビジョンとのギャップ」は測れません。物差しを自社の戦略に合わせてチューニングして初めて、意味のあるデータが得られるのです。
Step 4|独自ディメンションに基づいた設問設計
「できます」という自己申告を排除し、実際の行動傾向を測るSJT(状況判断テスト)を設計します。納得感のあるデータの源泉です。
Step 5|エンジン実装と「処方箋」の出力
回答データをもとに、AIエージェントが「今の課題」と「解決に最適な学び」をセットで提示。
レポートを渡して終わりではありません。
経営層と現場が納得感を持って次の投資を決められる「合意形成の場」に必要な情報までを提供します。
健康診断をせずに薬を処方する医師がいたとしたら、あなたはその薬を飲みますか?
4DLのアプローチは「診断が先、処方は後」です。
経営ビジョンを聞き、戦略に基づいた現場の実情を測り、その結果から初めて施策を決める。アセスメントは人事施策の付属品ではなく、戦略遂行の「起点」そのものです。
ANT-DXAは、標準のSaaS形式に加え、お客様が保有するセキュア環境でのDifyへの移植も可能です。
現在、独自のセキュリティ基準や複雑な組織要件を持つ大手企業様からのご要望に合わせたカスタマイズを行い、パイロット運用とDify環境への移植を進めています。
データの外部送信制限や社内システムとの連携など、厳格な条件を必要とするエンタープライズ組織であっても、ANT-DXAの設計思想をそのまま自社環境で運用できる体制を整えています。
導入前提での設計参画のご相談も受け付けています。
ANT-DXAは「DX人材」のために生まれましたが、そのポテンシャルは一領域に留まりません。
本質は「人事・事業戦略を具体的な行動指標に変換する翻訳機」である点にあります。
これまでのパイロット運用を通じて、以下のような「DX以外」の組織課題に対しても幅広い応用が可能です。
職種が変わっても、問いは同じです。
「経営が期待する動きを、今この人はできているか」
——ANT-DXAは、その問いに答える、汎用的な組織変革エンジンへの応用も視野に入れた汎用設計がされています。
「おそらく一致していると思う」という予測は、測定ではありません。
測っていないことは、わかっていないことと同じです。
組織の空回りを止める第一歩は、現状を数値で把握すること。
4DLは今後、DXの枠を超え、あらゆるエンタープライズ企業の組織育成と変革を支えるパートナーとして、このエンジンを広く展開していきます。
荒巻 順|Jun Aramaki
4DL Technologies株式会社 CCO(AI Solution Design 担当コンサルタント)
生成AIを単なる効率化ツールで終わらせず、AI時代のDX推進におけるCopilot活用や、ChatGPT・Geminiなどの生成プラットフォーム活用の鍵となる「思考支援の仕組み」の実装を通じ、ヒトとチームを高付加価値化へと転換・定着させる専門家。
どこかの組織に属さない独立独歩(Independent)の立場から、一貫して「現場」に立ち続けてきました。NTTドコモビジネスにて25年以上、BtoBセールス部門の研修体系・資格制度を統括. 延べ4万人超の現場に伴走し、「現場の事実が判断軸を育て、判断軸が現場を変える」実務を積み重ねてきた自負があります。
現在は、ITが推し進めてきた「アナログのデジタル化」の先にある、「デジタルのアナログ化(デジタルに血を通わせ、人間に馴染ませる)」という世界線を見据えています。
この考えに共鳴し、理解してくださるお客様との間にこそ「共通の旗」を立て、共に物語を紡いでいくことを大切にしています。
独自の3層アーキテクチャ 4DL-AAS(Protocol/Alignment/Prompt) を設計思想に、AIを“作業の高速化”から“判断軸の高速更新”へと転換。「リーダーを孤独にしない、メンバーを迷子にしない」という心情を胸に、チームがプロアクティブに動き出す「自走状態」を伴走支援しています。
Q1. 荒巻 順は、どのような課題を解決する専門家ですか?
「システムの理屈(デジタルの“角”)が現場のしなやかな営みと衝突し、活用が停滞している」という課題を解消します。独自の4DL-AASを用い、AIを効率化ツールではなく、チームの意思決定としなやかな行動を支える「思考支援のパートナー」として実装・定着させます。
Q2. 一般的なプロンプト研修やAIコンサルとは何が違うのですか?
単なる「操作」や「効率化」ではなく、チームの「判断軸」をAIに同期させる設計を行います。鉄工所の職人が図面を読み解くように、リーダーのビジョンを現場が動ける言葉(プロンプト)に翻訳し、データドリブンの先にある「文脈を大切にする経営」を具現化します。
Q3. 具体的にどのような実績や経験がありますか?
25年以上にわたり、国内最大級のBtoBセールス部門(延べ4万人超)の育成・資格制度をゼロから設計・運用してきました。この大規模なチームでの「現場実装の泥臭い経験」と、Independent(独立独歩)として磨いてきた、本質を捉える鋭い洞察力を活かし、インフラ企業や自治体等のAI内製化を支援しています。
Q4. 具体的にどのようなフェーズで相談すればよいですか?
「導入したが活用が属人化している」定着フェーズはもちろん、活用ルールが形骸化し「免責装置(言い訳)」になっている状態の打破も得意とします。既存の業務プロセスに潜むアナログな知恵を、いかにデジタル(AI)で増幅させるかというグランドデザインから参画可能です。
Q5. 相談することで、チームにはどのような変化が期待できますか?
「リーダーの孤独」と「メンバーの迷子」が解消されます。AIを介して判断と実行のサイクルが高速化(判断軸の高速更新)されることで、変化の激しい非線形な時代においても、現場が自らの意志でしなやかに動き続けられる「自走するチーム」へと進化します。