「中期経営計画は立派だが、現場の動きが一向に変わらない」「多額の投資をしてDX研修を導入したが、具体的な事業成果が見えてこない」
こうした『リスキリングの空回り』に頭を抱える経営者や人事・事業責任者は、少なくありません。
みなさん こんにちは《聴くチカラ研究所》の4DL Technologies株式会社CCO荒巻順です。ブログへのご訪問、ありがとうございます。

たとえばDX推進において、研修の受講完了率は高いのに現場からDX推進の成果がなかなか生まれないといった事象。
これは現場の怠慢ではなく、戦略を「個人の役割と評価」に繋ぐための測定の仕組みが、戦略の設計より後回しにされてきたという、構造的な問題なのです。
4DLが開発するアセスメントエンジン「ANT-DXA」は、もともとAI時代の到来を見据え、急速に変化するDX人材の資質を正しく測定するために誕生しました。
多様な事業ドメインと複雑な階層構造を併せ持つ、国内有数のエンタープライズ組織の現場でパイロット運用を重ね、厳しい評価をいただきながら磨き上げられてきたこのエンジンは、開発過程で一つの大きな事実に到達しました。
「経営が描く未来と同じ方向を向いていますか?」
私たちが測るべきは、単なるITスキルではありません。
経営ビジョンを遂行するために、現場の一人ひとりがどう考え、どう動くべきかという「独自の正解」を定義すること。
DXはあくまで最初の一歩に過ぎません。この記事では、あらゆる職種の組織育成・変革に応用可能な「ANT-DXA」の設計プロセスを公開します。
目次
- 1. 施策が空回りする組織に共通する「前提条件の欠如」
- 2. 私たちが最初に聞くのは「どんな研修がしたいか」ではない
- 3. ANT-DXAの設計プロセス:5つのステップ
- 4. この順序に、意味がある「診断が先、処方は後」
- 5. 現在、エンタープライズ環境への実装を進めています
- 6. あらゆる組織変革を加速させる「戦略の翻訳機」としての汎用性
- 7. 戦略と現場の「物差し」を一致させるために
1. 施策が空回りする組織に共通する「前提条件の欠如」
育成を通じた組織変革が研修などでうまくいかない組織には、ほぼ共通した構図があります。
あらゆる育成施策の成果(目指すべき人材像)は、「前提条件(現時点のスキル・マインドなど)」×「施策内容(研修・ツール・手法など)」で決まります。
ところが多くの企業が、施策内容の選定にはエネルギーを注ぐ一方で、肝心の前提条件、つまり「戦略を遂行するために、誰が、今どこにいるのか」の把握を曖昧なまま進めています。
その結果、現場では「戦略はわかるが、自分のチームが今日から何をすべきか不明確だ」という声が上がり、新しいコンセプトを導入しても、既存の評価指標(KPI)に縛られ、行動が変わらないという悪循環に陥ります。
人事・事業戦略が期待する「理想像」と、現場の「実態」のギャップが可視化されていない。
現場の能力不足だけを問題にしても、施策は空回りします。
経営の意図を現場の「共通言語(評価指標)」に変換し、現状を正確に測っていない限り、どれだけ優れたプログラムを導入しても、打ち上げ花火で終わります。その結果、経営会議では研修効果への疑問の声が上がり予算申請への厳しい反応が返ってくる・・・
2. 私たちが最初に聞くのは「どんな研修がしたいか」ではない
4DL Technologies株式会社では、お客様からお声がけ頂いた際に最初に行うのは育成プログラムの提案ではありません。
人事や事業、そしてDX推進の責任者に対してまず聞くのは、こういうことです。
「事業戦略として、何を実現しようとしていますか。5年後、10年後、この組織はどこに向かっていますか」
コンテンツの話は、しばらく後回しにします。
設計は、常に経営の意図・戦略、そして所管部門の様々な想いや制約の可視化から始まる。これがANT-DXAの根本的なスタンスです。
特に大規模な組織においては、部門ごとに求められる「理想の役割」が異なります。
たとえば同じ組織内であっても、安定したインフラ保守を担う部門と、未知の市場を開拓する部門では、必要なマインドセットも行動様式も変わってくる。
全社一律では測りきれない自社固有の文脈を、私たちはANT-DXA導入の際には経営戦略から逆算してお客様と対話をして行きます。
3. ANT-DXAの設計プロセス:5つのステップ
私たちは以下の5ステップを通じて、戦略を評価軸へと翻訳します。
Step 1|経営の意図・戦略目標を把握する
「どの領域で・どのような変革を・いつまでに実現するか」という具体性を経営陣から引き出します。
Step 2|既存の人事体系・現状データを受け取る
「経営ビジョン」と「現場の仕組み」を突き合わせ、設計の土台を整えます。
Step 3|ANT-DXA engineで分析し、ディメンションを設計する
汎用的なスキルマップではなく、企業の経営方針・中期経営計画に含まれるキーワードをAIで解析し、独自の評価軸(ディメンション)を構築します。
これにより、「全社員の平均点」ではなく「自社戦略とのギャップ」が浮き彫りになります。
例えば、元々のANT-DXAの活用対象であるDX人材の場合。
私たちは経済産業省が提唱する「デジタルスキル標準(DSS)」を否定するわけではありません。むしろ、共通言語としてのDSSは積極的にリファレンスとして活用します。
しかし、DSSはあくまで「標準」であり、各社の「戦略」ではありません。
ANT-DXAは、その企業の「経営方針書」「中期経営計画」「DXビジョン」に含まれる固有のキーワードをAIで解析します。標準的なスキルフレームワークを土台にしつつ、その上に「その組織が本当に測るべき評価軸(独自ディメンション)」をマッピングしていくのです。
市販のアセスメントで「全社員のDXスキル偏差値」は測れても、「自社の経営ビジョンとのギャップ」は測れません。物差しを自社の戦略に合わせてチューニングして初めて、意味のあるデータが得られるのです。
Step 4|独自ディメンションに基づいた設問設計
「できます」という自己申告を排除し、実際の行動傾向を測るSJT(状況判断テスト)を設計します。納得感のあるデータの源泉です。
Step 5|エンジン実装と「処方箋」の出力
回答データをもとに、AIエージェントが「今の課題」と「解決に最適な学び」をセットで提示。
レポートを渡して終わりではありません。
経営層と現場が納得感を持って次の投資を決められる「合意形成の場」に必要な情報までを提供します。
4. この順序に、意味がある「診断が先、処方は後」
健康診断をせずに薬を処方する医師がいたとしたら、あなたはその薬を飲みますか?
4DLのアプローチは「診断が先、処方は後」です。
経営ビジョンを聞き、戦略に基づいた現場の実情を測り、その結果から初めて施策を決める。アセスメントは人事施策の付属品ではなく、戦略遂行の「起点」そのものです。
5. 現在、エンタープライズ環境への実装を進めています
ANT-DXAは、標準のSaaS形式に加え、お客様が保有するセキュア環境でのDifyへの移植も可能です。
現在、独自のセキュリティ基準や複雑な組織要件を持つ大手企業様からのご要望に合わせたカスタマイズを行い、パイロット運用とDify環境への移植を進めています。
データの外部送信制限や社内システムとの連携など、厳格な条件を必要とするエンタープライズ組織であっても、ANT-DXAの設計思想をそのまま自社環境で運用できる体制を整えています。
導入前提での設計参画のご相談も受け付けています。
6. あらゆる組織変革を加速させる「戦略の翻訳機」としての汎用性
ANT-DXAは「DX人材」のために生まれましたが、そのポテンシャルは一領域に留まりません。
本質は「人事・事業戦略を具体的な行動指標に変換する翻訳機」である点にあります。
これまでのパイロット運用を通じて、以下のような「DX以外」の組織課題に対しても幅広い応用が可能です。
職種が変わっても、問いは同じです。
「経営が期待する動きを、今この人はできているか」
——ANT-DXAは、その問いに答える、汎用的な組織変革エンジンへの応用も視野に入れた汎用設計がされています。
7. 戦略と現場の「物差し」を一致させるために
「おそらく一致していると思う」という予測は、測定ではありません。
測っていないことは、わかっていないことと同じです。
組織の空回りを止める第一歩は、現状を数値で把握すること。
4DLは今後、DXの枠を超え、あらゆるエンタープライズ企業の組織育成と変革を支えるパートナーとして、このエンジンを広く展開していきます。
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