モノ売りからコト売りという大きな流れの中、新しく配属されたBtoBセールス部門のチームではお客様と腰を据えて長期視点でソリューションを検討する機会が増えたという方、意外と多いのではないでしょうか。
短期決戦型の営業スタイルから、じっくり対話しビジネスモデルそのものを提案するコンサルティング型のBtoBセールス。これは大変さもありますが、やりがいが大きく成長のチャンスにあふれています。
みなさん こんにちは《聴くチカラ研究所》の荒巻順です。ブログへのご訪問、ありがとうございます。
目次
- 1.時間をかけてお客様へのソリューションを企画する楽しさ
- 2.目先の業務改善とかではなく、ビジネスモデル再構築などに必要なコンサルティングスキル
- 3.コンサルティングスキルの本質は「現状の分析」ではなく「分析からの本質を見抜く洞察力」
- 4.洞察力とは複雑に絡む条件を重層的に捉えて、状況条件のすき間にある価値を想像・創造するチカラ
- 5.まとめ
1.時間をかけてお客様へのソリューションを企画する楽しさ
- 「長期商談はじっくり関係を育む」
- 「チームで課題を共有し合う」
- 「大きな変革に携われる醍醐味」
新規開拓のスピード感のある商談スタイルに慣れてきたところで、長期案件のソリューション提案チームに異動となると、まったく別世界のように感じるかもしれません。
これまでのように「新しい商材が出たので提案して即決を狙う」という短期決戦の営業とは異なり、お客様の経営課題を深く掘り下げ、一緒に解決策を探りながら複数ステークホルダーとの合意形成を進めていくのが特徴です。
長い時間と労力がかかる分、お客様からの信頼関係が厚くなるのを実感できるのも魅力のひとつでしょう。
たとえばICT業界では、クラウド基盤の刷新や業務システムの再構築など、お客様が年度をまたいで取り組むような大型の投資案件が少なくありません。
こうした案件には、財務や人事、経営戦略といった多角的な要素が絡んできます。自社からはSEやサポート部門、あるいは製品マーケティング担当など複数のメンバーが関わることもありますよね。
あなたがグループリーダーとしてそのチームを率いるとき、ただ「自社の技術力をPRする」だけでは不足です。むしろ「お客様の長期ビジョンにどう寄り添い、そこに自社ソリューションをどう位置づけるか」を企画する楽しさに目を向けましょう。
長い商談期間だからこそ、お客様が本音を語る瞬間も増え、また予想外の障壁に直面する場面もあるかもしれません。
しかし、その分だけお客様の「未来創造プロジェクト」に深く貢献している感覚はひとしおです。社内外のメンバーを巻き込みながら、どれだけ大きなビジョンを共有できるかが、この手の長期案件の醍醐味といえるでしょう。
あなたのコンサルティングセンスを活かして、お客様が抱えている潜在的な問題を引き出し、一緒に解決策を作り上げていく――。
その過程こそが、BtoBセールスの「営業力としてのコンサルティングスキル」の真髄でもあります。じっくり対話し、価値を共に生み出す喜びを感じられることが、このスタイルの何よりの魅力ではないでしょうか。
2.目先の業務改善とかではなく、ビジネスモデル再構築などに必要なコンサルティングスキル
- 「経営視点の課題設定が要」
- 「財務・人事・マーケ全方位に対応」
- 「ビジネスモデル変革を支援」
新しいチームでは、パッケージソリューションの販売だけでなく、お客様のビジネスモデルそのものにメスを入れるような提案を求められます。
たとえば、今まではシステム導入で業務効率を上げるだけの提案だったかもしれませんが、これからは「この導入が御社のサービス提供形態をどう変え、最終的に市場での勝ちパターンをどう確立するのか」という、より大きな視点を持つ必要があります。
そうしたコンサルティングスタイルの提案には、経営的な数字の読み方や、人材戦略を踏まえた組織体制の見直し、あるいは競合他社との差別化ポイントの洗い出しといった多角的な視野が欠かせません。
現状分析のためのフレームワークを駆使することはもちろん重要ですが、それ以上に「お客様の会社がどこを目指しているのか」「業界全体の未来がどこに向かっているのか」を一緒に議論し、新たな収益モデルやサービス提供形態の可能性を描くことが求められます。
ここで、財務会計の知識があると、「この投資額がキャッシュフローにどのような影響を与え、利益率はいつどのタイミングで改善していくか」を具体的に示すことができ、お客様の経営陣の心に響きやすくなるでしょう。
また、マーケティングの視点があれば、「新たなビジネスモデルを導入したときに顧客層はどう変化し、価格設定やプロモーション戦略はどう組み立てるか」を提案できます。
こうした幅広い知識やスキルを全部自前で完璧に備えるのは難しいものです。だからこそチームメンバーとの連携が大切であり、必要に応じて外部パートナーと協力したり、生成AIを活用して情報収集やアイデア発想を補強する手段も有効です。
要は、あなた自身が「お客様の変革支援チームの一員になる」という意識を持つこと。
単に自社の製品を導入するのではなく、お客様の経営変革を一緒に推進するコンサルタントとして振る舞うことが、長期案件での成功につながります。
3.コンサルティングスキルの本質は「現状の分析」ではなく「分析からの本質を見抜く洞察力」
- 「数字やデータに惑わされない」
- 「現象の裏にある因果関係を探る」
- 「問題の核を見つける力が重要」
コンサルティングスキルというと、「SWOT分析」「3C分析」「PEST分析」などの経営フレームワークを使いこなし、現状を正確に分析できることがまず頭に浮かぶかもしれません。
確かにフレームワークを使うことで情報を整理し抜け漏れを防ぐ効果がありますが、それだけでは単なる“優秀な調査員”で終わってしまう可能性もあります。本当に大切なのは、そこから浮かび上がる「本質的な課題」を見抜く洞察力です。
たとえば財務指標の変動を細かく追った結果として「近年は利益率が下がっている」とわかったとしても、その要因が競合企業との価格競争なのか、顧客ニーズの変化なのか、あるいは組織が硬直化してイノベーションを阻害しているのか──。
原因は多面的に存在するかもしれません。ここを“数字の背景”まで深掘りして考え、「お客様は本当はどの部分で苦しんでいるのか」を推測し、それをお客様に問いかけるのが洞察力の仕事です。
さらに、洞察力を磨くためには「過去と未来の関連性」を意識的に捉えることも大切です。
たとえばお客様企業の創業時の背景や、経済環境の変動で大きな分岐点を迎えた過去のタイミングを知ることで、今後の方針や優先順位の決定に影響を与える“社風”や“経営者の価値観”を推し量ることができます。
このあたりの情報は経営者インタビューや同業他社の動向、市場レポートなどを合算して推察するだけでなく、生成AIを活用して関連文献やデータを素早く洗い出してもらう手もあるでしょう。
そこから得られた知見を深めていくと、表面的な問題点だけではなく、お客様が意識していなかった“根本要因”にフォーカスした提案を作ることが可能になります。
それこそが、あなたがチームリーダーとして発揮するべきコンサルティングスキルの真髄といえるのではないでしょうか。
4.洞察力とは複雑に絡む条件を重層的に捉えて、状況条件のすき間にある価値を想像・創造するチカラ
- 「情報の断片をつなぎ合わせる」
- 「複数の視座からアイデアを探る」
- 「生成AIも活かしつつ、自分の視点も大切に」
洞察力を磨くために何より大切なのは「柔軟な視点を持つこと」と「多層的な分析を恐れないこと」です。ICT業界の長期案件では、技術面やコスト面、ユーザーの利用体験や運用体制など、さまざまな要素が連鎖して結果を左右します。
一見すると関係なさそうに見える部門の課題が、実は業績悪化の引き金になっていたり、逆に顧客満足度の向上に大きく寄与していたりするケースもあるでしょう。
こうした複雑な状況を「一度に単純化しすぎる」のではなく、あえて「要素をできるだけ多面的に拾い上げる」ことで見えてくる価値があります。
もちろん、人間ひとりの頭で全部を考えるのは大変です。
そこでは生成AIの出番です。大量のデータをざっと整理し、分野横断的な切り口を提示してくれる役割を担わせるのです。
たとえば、お客様の業界動向と過去数年の財務諸表、さらにSNS上のユーザーボイスといった複数のデータをまとめて、「どこに共通のキーワードやパターンがあるのか」をAIに見つけてもらうことで、あなたの思考をサポートできます。
でも最終的には、「だからこそ私が気になるのは、この点なんですよね」と自分の視座で判断し、企画の方向性を示していくのがコンサルタントとしての醍醐味です。
「情報が整理できた先」にあるのは、その情報から価値を“想像・創造”する力です。
これから先お客様はどういうビジョンを掲げ、新しい市場や顧客層をどう開拓していくのか。そのためには、部門をまたぐ業務改革や新製品の発表、業界ルールの変更まで視野に入れて考える必要があるかもしれません。
目先の成果だけでなく、中長期の未来を見越した提案を作れるようになると、「この営業さんは信頼に値する、単なる販売員じゃない」と評価してもらえるはずです。
自分の中で生まれたアイデアをさらに磨き上げて、お客様にとって見逃せない提案を仕上げられる――これこそが洞察力を発揮する最大の魅力だと思いませんか?
5.まとめ
3つのまとめポイント
- 「ビジョンを描く提案が鍵」
- 「データ分析+洞察力の融合」
- 「生成AIを補助ツールとして活用」
長期的な視点でお客様と向き合うには、経営や財務、組織設計からマーケティングに至るまで複合的な知識が求められます。
しかし、それらを組み合わせるだけではなく「お客様独自の未来像」を一緒に描くコンサルティングスキルこそが、今の時代における真の営業力です。生成AIを活用して情報を整理するのは有効ですが、最終的にはあなた自身の洞察力が決め手になります。
大きなビジョンと細やかな分析の両輪を回しながら、新しい価値を生み出せるBtoBセールス人材を目指していきましょう。
コンサルティングセールスとして、長い時間を使って経験を深めていくことも大事です。しかし、変化の激しい時代悠長な事を言っているとチャンスを逃すことにもなりかねません。
自分が持ち合わせない知識や情報、分析するための視点や切り口、全部ChatGPTやGeminiに含まれています。
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