目次
- 「良い人」で終わる営業の限界:なぜDX提案で“心理術”は通用しないのか
- ヒアリングの本質は「神質問」にあらず。「課題の構造図」を描く設計力にあり
- 生成AIは「思考の同伴者」になる:NTTドコモビジネスBtoBセールスのためのプロンプトエンジニアリング
- OSSI × AI:岩崎リーダー率いる営業チームの変革
- まとめ:「回線屋さん」から「DXパートナー」へ。AI時代の営業が持つべき新たな羅針盤
1. 「良い人」で終わる営業の限界:なぜDX提案で“心理術”は通用しないのか
- 複雑化する顧客のDX課題
- 個人の感情では動かない組織の意思決定
- テクニック依存から「課題解決パートナー」への脱却
ある中堅物流企業の工場長に、NTTドコモビジネスの営業担当、田中さん(仮名)が「IoTによる在庫管理ソリューション」を提案しています。彼は事前に学んだ通り、工場長の趣味の釣りの話で盛り上がり、完璧な「ラポール」を築いたつもりでした。
しかし、同席していた情報システム部長から、「そのシステム、うちの既存の基幹システムと連携できるの?」「5G通信のセキュリティレベルは?第三者機関の評価レポートを見せてください」と、立て続けに厳しい質問が飛びます。
田中さんが築いた「個人的な好意」は、組織としての合理的な判断、つまり「投資対効果」や「セキュリティリスク」という巨大な壁の前では、あまりにも無力でした。
結果、彼は「田中さんは良い人だけど、提案はまた今度」という、最も避けたい状況に陥ってしまったのです。
これが、私たちが直面する現実です。
モバイル回線の更新であれば、担当者との関係性が決め手になることもあったでしょう。しかし、お客様の生産性や競争力を左右するDXソリューションの導入は、
- 情報システム、現場、経営層など、複数のステークホルダーの合意形成が必要
- 導入後のROIやセキュリティポリシーといった、極めて論理的な評価基準が存在する
- 一度導入すれば、数年にわたり事業の根幹を支える重要なインフラとなる
といった重い決断です。
このような局面で必要なのは、「好かれる」スキルではなく、「信頼され、任せられる」スキルです。
そのためには、顧客の課題構造を誰よりも深く理解し、的確な解決策を提示する能力が不可欠となります。
2. ヒアリングの本質は「神質問」にあらず。「課題の構造図」を描く設計力にあり
- 属人性に依存する「質問力」という神話
- 再現性をもたらす「問いのOS」という発想
- OSSIによるドコモビジネス課題の構造化
「トップセールスはヒアリングがうまい」
この言葉の裏には、「顧客も気づいていない課題を魔法のように引き出す」といった、一種の職人芸への憧れが隠されています。しかし、その“魔法”は他のメンバーには使えません。
私たち4DL Technologiesが開発した【OSSI(問いのOS)】は、その属人性を乗り越えるための「構造的思考の支援AI」です。
OSSIは、NTTドコモビジネスの営業担当が顧客のDX課題を構造的に理解するための、4つのステップを提供します。
- O:Observe(観察)
「現在、モバイル回線は何台ご利用ですか?」という事実確認から始め、「データ通信量はどの部署が最も多いですか?」「クラウドは利用されていますか?セキュリティ対策は?」といった、顧客のITインフラ全体を客観的に観察します。 - S:Structure(構造化)
収集した情報から、「通信コストの増大」の裏にある「非効率なデータ共有」や、「リモートワークの課題」の根底にある「セキュリティの脆弱性」といった、課題の本当の因果関係を突き止め、構造化します。 - S:Share(共有)
「お客様の課題は、AとBが原因でCという問題を引き起こしている、という構造だと理解しましたが、いかがでしょうか?」と、分析した「課題の構造図」を顧客と共有し、認識を合わせます。 - I:Inspire(共創・合意)
その構造図の上で、「であれば、この部分の解決には弊社の『d.Security(仮想商品)』が、こちらの非効率解消には『5G活用によるデータ高速連携』が最適です」と、ドコモのソリューションをパズルのピースとして当てはめ、共に未来の姿を描きます。
OSSIは、営業を「商品を説明する仕事」から、「顧客の課題を構造化し、解決の道筋を共に設計する仕事」へと変革します。
3. 生成AIは「思考の同伴者」になる:NTTドコモビジネスBtoBセールスのためのプロンプトエンジニアリング
- 生成AIの一般的な誤解(AI活用の落とし穴)
- 「問い」を深めるパートナーとしてのAIの真価
- OSSIを実装するNTTドコモビジネス特化のプロンプト
「ChatGPTやCopilot・・・生成AI、便利だけど、提案書の“てにをは”を直すくらいしか使ってないな…」もしそうなら、あなたは最強のブレストパートナーを、単純作業の処理をさせる校正係として扱っていることになります。
生成AIの真価は、OSSIで構造化された「質の高い問い」を与えることで、初めて解放されます。
例えば、ある製造業の顧客への提案前、AIにこう問いかけます。
「私はNTTドコモビジネスの代理店法人営業です。これから、OSSIフレームワークに基づき、株式会社Y製作所へのDX提案準備を行います。
【Observe情報】
・Y製作所は従業員300名。ドコモの法人携帯を200回線利用中。
・主な課題は、工場の旧式Wi-Fiが不安定で、生産データの収集に時間がかかっていること。
・3年前にランサムウェアの被害に遭い、セキュリティ意識は高い。
この情報を基に、
1. 私が提案すべきドコモビジネスのソリューション(5G、IoT、d.Security、クラウド等)を組み合わせたパッケージ仮説を3つ【Structure】してください。
2. それぞれの仮説について、工場長と情報システム部長、それぞれの立場に響くであろうメリットをシミュレーションしてください。
3. 初回訪問で、これらの課題を引き出すための具体的なヒアリング質問リストを5つ作成してください。」
AIは、あなたの知識と経験をインプットに、多角的な視点と具体的なアクションプランを提示してくれます。もはやAIは、あなたの“思考の同伴者”なのです。
4. OSSI × AI:岩崎リーダー率いる営業チームの変革
- 「回線屋さん」からの脱却を目指すチームの挑戦
- OSSI×AIによる営業プロセスの可視化と標準化
- 若手営業の成長とチーム全体の提案力向上
NTTドコモビジネスの一次代理店で法人拠点チームを率いる岩崎愛子さんは、チームの「提案力の頭打ち」に悩んでいました。
メンバーは法人携帯の契約更新には強いものの、そこから一歩踏み込んだクラウドやセキュリティといった高付加価値商材のクロスセルがなかなか進まない。「結局、価格勝負になってしまう…」
岩崎さんは、チーム共用の生成AIに、ドコモビジネスの商材知識とOSSIの思考フレームを学習させたカスタムプロンプトを導入しました。
その結果、チームは劇的に変わりました。
- 提案の質が変わった: 若手メンバーでも、AIとの壁打ちを通じて、複数のソリューションを組み合わせた「DXパッケージ提案」を企画できるように。顧客からは「うちの会社のこと、よく調べてくれているね」と驚かれるようになりました。
- 営業プロセスが可視化された: 商談後の議事録をAIで分析し、OSSIのどの段階のヒアリングが弱いかを各メンバーが客観的に把握。岩崎さんの指導も、勘や経験ではなくデータに基づいた的確なものになりました。
- チームの意識が変わった: 「自分たちは単なる“回線屋さん”じゃない。お客様の事業課題を解決する“DXコンサルタント”なんだ」というプライドが、チーム全体に醸成されたのです。
5. まとめ:「回線屋さん」から「DXパートナー」へ。AI時代の営業が持つべき新たな羅針盤
- 感情操作から課題の構造化への進化
- 「問いの構造」と「思考の同伴者」という新装備
- NTTドコモビジネスBtoBセールスの未来像
私たちが提供しているのは、単なる通信サービスではありません。それは、お客様の事業を未来へと繋ぐ、社会の神経網そのものです。その価値を最大限に顧客へ届けるために、私たち自身の営業スタイルもまた、進化しなくてはなりません。
心理学テクニックで個人の心を動かす営業から、OSSIで「課題の構造」を顧客と共有する営業へ。
そして、AIという“思考の同伴者”と共に、お客様のDXジャーニーそのものをデザインできる営業へ。
OSSIと生成AIは、私たちNTTドコモビジネスの営業担当が、「価格」ではなく「価値」で勝負するための、最も強力な羅針盤となります。
さあ、お客様から「良い人ですね」で終わる関係を卒業し、「あなたがいなければ、うちの会社の未来はなかった」と感謝される、真のDXパートナーへの一歩を、今日から踏み出しましょう。
その「第一歩」を、具体的なスキルと仕組みへ
この記事を読んで、変革への意志を固めたチームリーダーやマネジメントのあなたへ。その力強い一歩を、具体的なスキルと組織の仕組みへと変えるために、4DL Technologies株式会社はNTTドコモビジネスの法人営業専用のAIソリューションを開発しています。