「動いてほしい。でも動けない。」リーダーの焦りと、現場の静かな停滞。「どうして、うちの若手は自分からお客様と話そうとしないんだ…?」
もしあなたがチームの静かな空気に、そんな焦りを感じているなら、問題の根っこは彼らの“意欲”ではないのかもしれません。
本当の原因は、あなたのチームが、そしてあなた自身が気づかぬうちに直面している、目に見えない「問いの壁」にあるのです。その壁の正体とは何か、一緒に探っていきましょう。
みなさん こんにちは《聴くチカラ研究所》の4DLの荒巻順です。ブログへのご訪問、ありがとうございます。
目次
- 1.“訪問の量”を増やせない時代に、なぜ「動け」と言っても響かないのか?
- 2.「お客様と何を話せばいいか分からない」──若手のリアルな声が示す営業のギャップ
- 3. 同行営業は限界。背中を見せても、メンバーは育たない
- 4. 問いを練習できる場所が、メンバーに“最初の一歩”を与える
- 5.まとめ:まず動けるチームへ。その先に“選ばれる営業”が生まれる
1.“訪問の量”を増やせない時代に、なぜ「動け」と言っても響かないのか?
- 「何を話すか」という問いがない訪問は、若手にとって恐怖でしかない。
- 目的のない訪問は、お客様にとっても営業にとっても時間の無駄。
- 「量から質へ」の転換期には、良質な「問い」という武器が必要になる。
「とにかくお客様のところに顔を出せ!話はそれからだ!」…あなたが熱意を込めてそう叫んでも、若手メンバーの足がオフィスに根を張ったままなのはなぜでしょう。
彼らは決して怠けているわけではありません。むしろ逆で、お客様の貴重な時間を奪うだけの「中身のない訪問」を、誰よりも恐れているのです。
スマホ一つで無限の情報にアクセスできる時代に育った彼らにとって、明確な「問い」を持たないままお客様の元へ向かうのは、コンパスも海図も持たずに嵐の海へ漕ぎ出すようなもの。
「回線、安くなります!」という旧世代の武器は、もはや通用しない。
時代はソリューション提案、つまりお客様の課題という名の“宝”を見つけ出す「冒険」に変わりました。この冒険に必要なのが、宝のありかを示すヒント、すなわち的確な「問い」なのです。
それなのに、「問い」という武器も持たせず、「さあ、戦ってこい!」とだけ命じるのは、あまりにも無謀な指令。
彼らが求めているのは根性論ではなく、お客様との対話という航海を乗り切るための、信頼できる「問いのコンパス」なのです。
2.「お客様と何を話せばいいか分からない」──若手のリアルな声が示す営業のギャップ
- 「どんな質問をすれば?」という言葉は、「問いの壁」の前に佇む姿。
- 正解を求める世代にとって、アドリブで「問い」を立てるのは至難の業。
- 問いが続かないのは、相手の答えへの興味の持ち方を知らないから。
「お客様のビジネスについて、ヒアリングしてきてごらん」あなたがそうアドバイスした時、メンバーから返ってきた「…で、具体的にどんな質問をすればいいんですか?」という一言。
これこそが、彼らが巨大な「問いの壁」の前に立ち尽くしている紛れもない証拠です。
彼らは、決してコミュニケーションが苦手なわけではありません。むしろ、教えられたこと、マニュアルにあることは完璧にこなす能力を持っています。
問題は、その逆。「教わっていないこと」「正解のないこと」に、極度の不安を感じ、自分から「問い」を立てるという行為そのものを恐れてしまうのです。
我々の世代は、失敗しながら自分なりの「問い」のパターンを体で覚えてきました。
しかし、彼らは「型」がないままアドリブで会話を続けることに、異常なまでの抵抗感を覚えます。
「社内のLAN環境について、何かお困りごとは?」と一つは聞けても、お客様の答えに対して「なるほど、その原因についてもう少し詳しく伺えますか?」と、会話を深掘りする「次の問い」が出てこない。
それは、相手の答えに興味を持ち、そこから新たな問いを生み出すという“対話のキャッチボール”を知らないから。彼らは今、その分厚い壁の前で、ただ立ち尽くしているのです。
3. 同行営業は限界。背中を見せても、メンバーは育たない
- リーダーの完璧な手本は、メンバーから「問う機会」を奪ってしまう。
- あなたが話すほど、メンバーの前の「問いの壁」は高くなっていく。
- 任せられないのは、リーダー自身が「問いの壁」を壊す術を知らないから。
しびれを切らしたあなたが「もういい、俺が手本を見せてやる!」と同行営業へ。
長年の経験を活かして鮮やかなヒアリングを行い、お客様の課題を次々と言い当てていく。メンバーは隣で「さすがです!」と感心し、お客様も満足げ。
一見、完璧なOJTに見えます。しかし、その時、あなたはメンバーの目の前にそびえ立つ「問いの壁」を、さらに高く、分厚くしてしまっていることに気づいているでしょうか。
あなたが華麗に「問い」を発し、お客様の答えを巧みにさばくほど、メンバーは「自分には無理だ」「リーダーのようには聞けない」と、ますます「問い」を発する自信を失っていきます。
あなたが主役になることで、メンバーは“自分で問う”という最も重要なトレーニングの機会を奪われているのです。
良かれと思って見せたあなたの背中が、皮肉にもメンバーを「問いの壁」の向こう側へと追いやっている。あなたが本当にすべきなのは、壁の向こうから手招きすることではなく、壁を壊すためのドリルを彼らに手渡すこと。
そして、そのドリルの使い方を、安全な場所で教えてあげることなのです。
4. 問いを練習できる場所が、メンバーに“最初の一歩”を与える
- 「問いの壁」を壊すには、安全な場所でドリルを使う練習が必要。
- 失敗を恐れず「問い」を連打できる環境が、本番での自信を育む。
- 生成AIは、最高の「壁打ち」パートナーであり、最高のドリルである。
では、どうすれば若手メンバーは「問いの壁」を打ち破り、自信を持ってお客様と対話できるようになるのでしょうか。
答えは、驚くほどシンプルです。「壁打ち練習」ができる場所を提供すること。それも、本物の壁(お客様)にぶつかって砕け散る前に、安全なトレーニングルームで、です。
例えば、「お客様のクラウドサーバー環境についてヒアリングしてきて」と指示したとします。
彼らが固まってしまうのは、「AWSとかAzureとか、何が違うの?」「どんな問いから始めれば?」という知識と経験の不足が原因です。ならば、その壁を壊すためのドリル、すなわち生成AIを使ってみましょう。
「あなたは製造業の情シス部長です。オンプレミス環境からのクラウド移行を検討中です。さあ、私に質問してください」とAIに役割を与え、対話のシミュレーションをさせるのです。
AI相手なら、「そんな初歩的なことも知らないのか」と呆れられる心配はありません。
的外れな「問い」をぶつけても、言葉に詰まっても、何度だってやり直せる。AIという最高の“壁打ちパートナー”に「問い」を連打するうちに、彼らは自然と対話のリズムとパターンを体得していきます。
この“安全な練習”こそが、「問いの壁」に風穴を開ける、最も効果的なドリルなのです。
5.まとめ:まず動けるチームへ。その先に“選ばれる営業”が生まれる
- 「問いの壁」の存在を認めよう。 若手が話せないのは、意欲の問題ではなく、問い方が分からないから。まずはリーダーがその壁の存在を認識することが第一歩です。
- 「問い」はスキルであり、練習できる。 優れた問いは才能ではなく、訓練で身につきます。安全な場所で失敗を繰り返すことこそが、成功への最短ルートです。
- リーダーはコーチたれ。 自分がプレイヤーとして得点するのではなく、メンバーが「問い」というボールを蹴れるように導くコーチになること。それが、チームを勝利に導きます。
この記事を通じて見えてきたのは、若手がお客様と話せない根本原因、すなわち「問いの壁」の正体です。
そして、その壁は根性論では決して壊せないこと。しかし、正しいツールとトレーニングさえあれば、誰でも乗り越えられることもご理解いただけたはずです。
お客様の懐に飛び込む「聴くチカラ」の源泉は、すべて良質な「問い」から始まります。その「問い」を磨くことこそが、これからの時代に「選ばれる営業」になるための、唯一の道筋なのです。
もしあなたが「活動量は必要だと分かっている。でも、若手が動けない」「同行ばかりも限界。何とか、自力で問いを立て、話ができるように育てたい」と思っているなら――その最初の突破口は、“AIとの練習”にあるかもしれません。
4DL Technologiesが提供する生成AI営業支援ソリューション《ANC(AI Native Consulting Sales)》は、まさにその“問いの壁”を破るために開発された、BtoBセールス特化の営業支援AIエージェントです。
商材を語るのではなく、顧客の課題を訊く。
正解のない営業現場で、問いを設計し、対話のキャッチボールを実践形式でトレーニングできるのがANCの特長です。AIがただ回答するのではなく、「問い直し、深める」やりとりをメンバー一人ひとりに最適化して伴走します。
もしあなたのチームが、
「若手が対話のきっかけを持てない」
「行動を起こす前に、“何を話すか”で止まってしまう」
「価値ある提案ができる前に、お客様との会話が終わってしまう」
そんな悩みを抱えているとしたら、ANCはその壁を超える支援ができます。まずは資料で、ANCの全体像をご確認ください。以下のバナーより、資料請求を受け付けています。
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