BtoBセールスの現場では、お客様との信頼関係を築くことが成功の鍵です。特に、初対面のお客様との商談では、最初の印象がその後の関係に大きく影響します。
皆さんはどのようにして初対面のお客様に自分を印象づけ、心を開いていただいていますか?今回は、効果的な心理テクニックである「ハロー効果」と「バックトラッキング」を活用して、お客様との信頼関係を築く方法を解説します。
みなさん こんにちは《聴くチカラ研究所》の荒巻順です。ブログへのご訪問、ありがとうございます。
目次
- お客様の人事異動があればお客様は初対面の関係になります
- 会社対会社だけではなく、ヒト対ヒトとしての関係性は初対面で決まります
- 第一印象をしっかりと作る「ハロー効果」を馬鹿にしてはいけません
- 初回の会話から心を開いていただく「バックトラッキング」を上手に使いましょう
- まとめ
お客様の人事異動があればお客様は初対面の関係になります
BtoBセールスでは、お客様の企業内で担当者が人事異動により変わることはよくあります。
長期的なプロジェクトを担当していても、新しい担当者と初めて会う際には、その時点で再び「初対面のお客様」としてゼロから関係を築かねばなりません。ここで重要なのは、最初の印象です。お客様に好印象を持っていただくことで、その後の商談がスムーズに進み、信頼関係が築きやすくなります。
技術的な知識や製品の知識に自信があっても、初対面のお客様との商談では、それだけでは十分ではありません。お客様はまず、あなたという人が信頼できるかどうかを見ています。
そのため、自己紹介の仕方や最初の会話が極めて重要です。特に、初対面のお客様が社内で重要なポジションにいる場合や、自分よりも経験豊富な相手であればあるほど、初対面での「信頼」をどう築くかがポイントになります。
初対面時の印象作りの技術として、「ハロー効果」や「バックトラッキング」といった心理テクニックを使うことが有効です。これらのテクニックを上手に使うことで、お客様に安心感を与え、信頼関係を築くための基礎を固めることができます。
会社対会社だけではなく、ヒト対ヒトとしての関係性は初対面で決まります
BtoBの商談において、会社対会社の関係性はもちろん重要ですが、最終的には「ヒト対ヒト」の関係性が商談の行方を左右します。
初対面でどのような印象を与えるかは、その後のビジネス関係の発展に大きく影響します。最初に相手に与える印象が良ければ、お客様とのコミュニケーションが円滑に進み、提案や商談がスムーズに運ぶ可能性が高くなります。
初対面のお客様に安心感や信頼感を持ってもらうためには、外見や態度、そして最初の挨拶や会話が重要です。
人は第一印象に基づいて相手を判断する傾向がありますが、これを利用して意図的に良い印象を残すことができます。特に、お客様があなたに初めて会った時に、「この人なら信頼できそうだ」「一緒に仕事を進めたい」と感じてもらうことが、商談の成功につながります。
ここで使える心理テクニックの一つが「ハロー効果」です。
これは、最初の印象がその後の評価に大きな影響を与えるというものです。ポジティブな第一印象を与えることで、お客様に対して自分の専門性や信頼性を強くアピールすることができるのです。
第一印象をしっかりと作る「ハロー効果」を馬鹿にしてはいけません
「ハロー効果」とは、最初に与えた印象がその後の評価に強く影響する心理現象です。
たとえば、初対面の際に清潔感があり、明るく自信に満ちた態度で自己紹介をすると、そのポジティブな印象が長くお客様の中に残ります。そのため、初めて会うお客様に対しては、外見や態度、そして会話のトーンに特に注意する必要があります。
自己紹介を行う際には、相手に対して「この人は信頼できる」「プロフェッショナルだ」という印象を与えることが大切です。
例えば、自己紹介の際に、お客様の業界に関連する知識を少し触れるだけでも、「この人は私たちの業界を理解している」と感じてもらえるでしょう。
また、落ち着いた声のトーンや相手の目を見て話すことも、信頼感を高めるためのポイントです。
ただし、ハロー効果はあくまで第一印象に過ぎません。
その後の会話や行動が初対面時の印象と大きく異なると、お客様はすぐにその評価を見直してしまうこともあります。良い印象を与えた後も、そのイメージを維持するために、誠実さや一貫性のある対応が求められます。
初回の会話から心を開いていただく「バックトラッキング」を上手に使いましょう
「バックトラッキング」とは、相手の言葉を繰り返すことで、相手に自分の話をしっかりと聞いてもらえていると感じさせるテクニックです。
これを使うことで、初対面のお客様に「この人は私の話を理解しようとしてくれている」という印象を与え、会話の中で自然な信頼関係を築くことができます。
たとえば、お客様が「我々は3年後のデジタル環境を見据えて動いています」と言った際に、「3年後のデジタル環境にフォーカスしているんですね」と繰り返すことで、お客様は「この営業担当者は私の話をしっかり聞いている」と感じ、安心感を持ちます。
バックトラッキングは、ただ単に言葉を繰り返すだけでなく、相手の気持ちや意図をしっかり汲み取ったうえで行うことが重要です。
さらに、バックトラッキングを通じて相手に共感を示すことができれば、お客様との会話がよりスムーズに進みます。
共感は、ビジネスの場面でも非常に重要な要素です。お客様に「自分のことを理解してもらっている」という感覚を持っていただくことで、商談の成功率が上がります。
まとめ
初対面のお客様との商談では、第一印象がその後のビジネス関係に大きく影響します。
ハロー効果を活用して、ポジティブな印象を与え、バックトラッキングを使って相手の話を理解し、共感を示すことで、信頼関係を築くことができます。これらのテクニックを上手に活用し、初対面のお客様との関係を円滑に進めましょう。
最終的には、ヒト対ヒトの関係性がビジネスの成功に繋がります。お客様との関係構築は一度で終わるものではありません。特に長期プロジェクトやBtoBセールスでは、継続的な信頼関係が必要です。
今回の「ハロー効果」や「バックトラッキング」を活用したテクニックは、初対面のお客様との商談で非常に効果的ですが、信頼関係を維持するためには、その後のフォローアップや一貫した対応が重要です。
ここ2回ほど、商談における心理効果的な記事を書いています。
元々私はBtoBセールスのトレーニング専門家として、記事に書いた内容なども含め商談環境の構築や商談時のコミュニケーション、そして商談内容の組立方などの研修をやっていました。
今は、生成AIをBtoBセールスでどう活用するかという分野に軸足を動かしましたが、記事のようなアナログな営みもとっても大事だと思っています。
しかし、時代の流れとしてアナログなテクニックや考え方ばかりに依存しているのは違うだろうなと思います。デジタルが全てではないですが、新しいテクノロジーを使いこなせないと時代の流れに取り残されるのは歴史が証明していますね。
そんな意図もあり4DL Technologies株式会社では以下の様なトレーニングを開発して、できればBtoBセールス部門の非エンジニアの皆さんに時代のキャッチアップを提供したいなと思っています。