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2月 22, 2026
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Copilotが「メールと検索」で止まる営業組織へ──半年経っても変わらないなら“仕組みの問題”です

Copilotが「メールと検索」で止まる営業組織へ

 

「Copilotを導入した。便利だとは思うが、現場の使い方が『メールの書き直し』と『Google検索の代わり』で止まっている」

みなさん こんにちは《聴くチカラ研究所》の4DL Technologies株式会社CCO荒巻順です。ブログへのご訪問、ありがとうございます。

 

もしあなたの営業組織が今この状態だとしても、焦る必要はありません。導入直後に現場がそこで立ち止まるのは、むしろ「正常な初期症状」です。

たとえば、訪問後の報告テキストは綺麗に整うようになった。でも、肝心の「次の一手」や「顧客への仮説」は薄いまま——。

しかし、導入から半年が経過しても同じ場所で足踏みをしているなら、話は別です。

一方で、同じチームの中には必ずこういう人がいます。商談前の仮説構築が異常に速くなり、顧客情報の整理が鋭くなり、一人だけ勝手にダッシュボードを作り上げて成果を伸ばしていく“マニア(パワーユーザー)”が。

できる人は確かにいる。しかし、組織全体の底上げには繋がらず、むしろメンバー間の温度差と活用格差が広がっていく。

ハッキリ言います。

この現象は、現場のITリテラシー不足でも、Copilotの性能不足でもありません。

あなたの営業組織における「個人の成功を、組織の標準に変換する仕組み」が壊れていることが原因です。



1. 症状チェック:あなたの営業組織、ここで止まっていませんか?

 

営業部門でAI活用が停滞するとき、現場ではほぼ例外なく以下の3つのパターンが同時発生しています。

  • 一般メンバー: メールの敬語調整、議事メモの整形、検索の代替だけで「使った気」になって終了する。
  • 一部のパワーユーザー: 独自のプロンプトを生み出し、提案書の骨子作成や顧客分析を自動化し、一人で圧倒的な成果を出す。
  • 営業マネージャ: パワーユーザーの事例を懸命にチームへ共有するが全く広がらず、「結局、日々の業務の何に使えばいいの?」という現場からの声に対応しきれず疲弊する。

さらに決定的な症状があります。

それは、組織内に「誰もがいつでも使える、業務に直結した共有資産」が存在していないことです。

「探せばポータルのどこかにある」は、無いことと同じです。

配れる共通資産がない状態では、いくら「もっと活用しろ」と号令をかけても、横展開が起きるはずがありません。

 

2. なぜ「ユースケース会議」を繰り返しても空回りするのか

 

活用が進まない時、マネージャが最初にやりがちなのが「ユースケースの収集と共有」です。便利な使い方を募集し、定例会議で発表させる。しかし、これらは大抵失敗に終わります。

なぜなら、ユースケースは単なる「材料」に過ぎず、それを現場に届けるための「流通経路(横展開の仕組み)」が存在しないからです。

ここで多くの組織は「利用率の平均」という罠にハマります。

平均利用率が上がったと喜んでいても、実態は“できる人”がより高度に使い倒しているだけで、下位8割のメンバーは相変わらずメールの整形しかしていない、ということが平気で起こります。

見るべきは平均ではありません。「分布」です。

  • 止まっている人は、どの詰まり(入力/評価/責任)で止まっているのか?
  • どの営業プロセス(商談準備・提案・フォロー)で立ち止まっているのか?
  • パワーユーザーの成功は、どのプロセスで起きているのか?

この分布を見ないまま、ただ闇雲にユースケースを配り続けるのは、暗闇に向かって空砲を撃ち続けるようなものです。

 

3. 失敗しない横展開の鉄則:「測定・育成・実装」

 

個人の成果を組織の成果に引き上げるためには、正しいビジネスプロセスが存在します。それは「測定・育成・実装」の順序を絶対に守ることです。

① 測定:分布を測り、「物差し」を作る

いきなり全社や100名規模で展開しようとしてはいけません。まずは現場の「10名」で、どこにどんな詰まりがあるのかを測定します。現場で止まる理由は、能力差というよりも「詰まりの種類」が違うことがほとんどです。

  • 入力の詰まり: 「何を聞けばいいか分からない(問いが作れない)」ため、検索窓の延長で終わる。
  • 評価の詰まり: それっぽい出力は得られたが、「このまま顧客に出して恥をかかないか(良し悪しが判らない)」と不安になり使わなくなる。
  • 責任の詰まり: 誤情報、機密事項の扱いなど、「事故が起きたら誰の責任になるのか(怖くて使えない)」が曖昧で萎縮する。
② 育成:分布に合わせて“迷わない型”を揃える

分布が見えれば、次にやるべき育成の方向性が決まります。

全員に同じ機能研修を受けさせるのではなく、詰まりのタイプに合わせて「何を入力すべきか」「どこを確認すべきか」という、現場が迷わないための“思考の型”を最小限で揃えるだけで、現場の停止は一段減ります。(※詰まりタイプ別の具体的な「型」の作り方については、別の記事で詳しく解説します)

③ 実装:型を“業務導線”に埋め込む

ここで初めて、横展開が始まります。

育成で揃えた型を、現場が日々使うツールの中に「探さなくても使える状態」で配置します。

 

4. プロンプト集より先に作るべき「営業業務カード(Prompt Card)」

 

分厚いプロンプト集を作ってはいけません。忙しい営業現場では、「いつ使うか分からない長い呪文」は誰にも読まれない仕様になっています。

必要なのは、1枚=1業務に特化した「営業業務カード(Prompt Card)」です。

たとえば、以下のような5枚のカードを用意します。

  1. 商談前整理: 顧客情報 → 仮説 → 聞くべきこと(3点)
  2. 訪問メモ整形: 事実 / 示唆 / 次アクション(担当者つき)
  3. 提案の骨子: 課題 → 打ち手 → 効果 → 懸念 → 潰し(1ペライチ)
  4. 上司報告: 状況 → 論点 → 判断依頼(要点3行)
  5. フォローメール: 要点 → 宿題 → 次回 → 確認事項

これらに「どの業務で使うか」「入力内容」「2〜3の手順」「出力の良品例」「注意点」だけを記載します。

そして、SharePointの奥底ではなく、Teamsの固定タブや固定投稿など「現場が絶対に迷わない導線」に直接埋め込みます。

これが真の実装です。

 

5. 無料DXA(10名版)は「お試し」ではない。全社展開の前提条件だ

 

もしあなたの営業組織が「できる人だけ伸びている」「一般メンバーがメールと検索で止まっている」「共有資産がなく横展開が回らない」という状態なら、ユースケース会議を繰り返すのを今すぐやめ、まずは10名で分布を測ってください。

これは単なる「お試し」ではありません。

100名規模での本格展開で失敗しないための、必須の前提条件です。

【無料DXA(10名版)で得られるもの(無料範囲)】
  • 定量的な診断結果(活用格差の分布)
  • AI定着に対する課題の明確化(どこで、どの詰まりが発生しているか)
    ※診断レポートでは、詰まり(入力/評価/責任)×営業プロセス(準備/提案/フォロー)の分布を一枚で可視化します。

──つまり、「うちの組織は何が問題か」を、経営層やDX推進部門と同じ言葉・数字で語れる状態を作ります。

その上で、有料版(100名規模〜)では、見えた課題に対して「誰をどう育成し、どの業務カードをどう実装するか」という解決の処方箋(進め方と打ち手の図面)まで提示し、組織全体への横展開を確実なものにします。

業の強さとは、トップ営業の存在そのものではありません。トップ営業の勝ち方が、組織の勝ち方に変換されることです。

Copilotは、その変換装置を作るために使うものです。

メールの整形で終わらせるのは──正直、現場の時間がもったいないと思いませんか?

ユースケース会議を何回やっても広がらないなら、原因はアイデア不足ではなく「分布未把握」です。まずは測りましょう。

 

無料DXA(10名版)で、活用格差の分布を測る(診断レポート付き)

 

ANT-DXA


関連情報・お問い合わせ

記事執筆者

荒巻 順|Jun Aramaki
4DL Technologies株式会社 CCO(AI Solution Design 担当コンサルタント)

生成AIを単なる効率化ツールで終わらせず、AI時代のDX推進におけるCopilot活用や、ChatGPT・Geminiなどの生成プラットフォーム活用の鍵となる「思考支援の仕組み」の実装を通じ、ヒトとチームを高付加価値化へと転換・定着させる専門家。

どこかの組織に属さない独立独歩(Independent)の立場から、一貫して「現場」に立ち続けてきました。NTTドコモビジネスにて25年以上、BtoBセールス部門の研修体系・資格制度を統括. 延べ4万人超の現場に伴走し、「現場の事実が判断軸を育て、判断軸が現場を変える」実務を積み重ねてきた自負があります。

現在は、ITが推し進めてきた「アナログのデジタル化」の先にある、「デジタルのアナログ化(デジタルに血を通わせ、人間に馴染ませる)」という世界線を見据えています。

この考えに共鳴し、理解してくださるお客様との間にこそ「共通の旗」を立て、共に物語を紡いでいくことを大切にしています。

独自の3層アーキテクチャ 4DL-AAS(Protocol/Alignment/Prompt) を設計思想に、AIを“作業の高速化”から“判断軸の高速更新”へと転換。「リーダーを孤独にしない、メンバーを迷子にしない」という心情を胸に、チームがプロアクティブに動き出す「自走状態」を伴走支援しています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 荒巻 順は、どのような課題を解決する専門家ですか?

「システムの理屈(デジタルの“角”)が現場のしなやかな営みと衝突し、活用が停滞している」という課題を解消します。独自の4DL-AASを用い、AIを効率化ツールではなく、チームの意思決定としなやかな行動を支える「思考支援のパートナー」として実装・定着させます。

Q2. 一般的なプロンプト研修やAIコンサルとは何が違うのですか?

単なる「操作」や「効率化」ではなく、チームの「判断軸」をAIに同期させる設計を行います。鉄工所の職人が図面を読み解くように、リーダーのビジョンを現場が動ける言葉(プロンプト)に翻訳し、データドリブンの先にある「文脈を大切にする経営」を具現化します。

Q3. 具体的にどのような実績や経験がありますか?

25年以上にわたり、国内最大級のBtoBセールス部門(延べ4万人超)の育成・資格制度をゼロから設計・運用してきました。この大規模なチームでの「現場実装の泥臭い経験」と、Independent(独立独歩)として磨いてきた、本質を捉える鋭い洞察力を活かし、インフラ企業や自治体等のAI内製化を支援しています。

Q4. 具体的にどのようなフェーズで相談すればよいですか?

「導入したが活用が属人化している」定着フェーズはもちろん、活用ルールが形骸化し「免責装置(言い訳)」になっている状態の打破も得意とします。既存の業務プロセスに潜むアナログな知恵を、いかにデジタル(AI)で増幅させるかというグランドデザインから参画可能です。

Q5. 相談することで、チームにはどのような変化が期待できますか?

「リーダーの孤独」と「メンバーの迷子」が解消されます。AIを介して判断と実行のサイクルが高速化(判断軸の高速更新)されることで、変化の激しい非線形な時代においても、現場が自らの意志でしなやかに動き続けられる「自走するチーム」へと進化します。